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美しき時 竹内てるよ詩集


美しき時
竹内てるよ詩集

竹内てるよ/著(詳細へ)
発行/小倉広子
フランス装/108ページ
本体価格1,500円+税(税込1,620円)

日本テレビ「おもいッきりイイ!!TV」で
「美智子さまも愛した魂の詩人」として
竹内てるよさんが紹介されました

女性であることの
愛と悲しみと慈しみの世界…
47年の時を経てよみがえった珠玉の詩集

品切れ

☆著者プロフィール

4月19日、読売新聞全国版「本のソムリエ」にて紹介
「逆境を強く生きた人の本」という題で、近現代史学者の加藤陽子氏が本書を紹介いたしました

☆報道での紹介

2008年4月1日発刊
装幀/石坂淳子 挿画/たけだみよこ

おぼえているでしょうか
あの時が来たのです
いつか 私が あなたに語った
美しい時が 来たのです
人が最も真実でなくてはならない
美しい時が 来たのです

希望の光をつむぐ詩人・竹内てるよ
女性であることの愛と哀しみと慈しみの世界……
47年の歳月を経て
よみがえった珠玉の詩集

「美しき時」目次より

序詩
真実/ひとりの時
白梅/冬/坊やよ お前を生かすために
わかれの朝/秋/頬/わたくし
白梅と女/春の静寂/銀鱗/若芽
サルビア/ほたるぐさ/花と微風
秋来る/馬/静かなる朝
誕生の日/生命/あぶれ/粉雪
雪の上の花/女性の幸/むかえ火/ゆきうさぎ
流雲/萩咲く/生きたるは/一つの声
蓮/まんさくの花/黄菊
いのち新し

私たちは いのちの尊厳を愛し
生きるに難しい今の現象にあわてず
信ずべきを信じ まっすぐに生きてゆく
そのことのいとなみに しっかり立とう
(「いのち新し」より)

本文「あとがきに寄せて」より

発行人の言葉

心のバイブル

私の手許に、本と呼ぶには、少しばかりはばかれる一冊の古ぼけた冊子があります。長い歳月に晒され変色してしまった表紙も、元は鮮やかな緑色であったであろうことが想像できる程度です。さらに、黄ばんだ本文用紙の劣化は著しく、気をつけて捲らないと裂けてしまいそうなほどです。
それは、私が竹内てるよ先生から直接頂戴した、『美しき時』という一冊の詩集です。昭和36(1961)年10月のことでした。あれから約半世紀が過ぎようとしております。以来、私はこの詩集をことあるごとに何度も読み返すことによって、今日まで生きてまいりました。竹内先生との出会いと、生きていくための教え、そしてこの一冊の詩集があったからこそ、私の今が存在しているといっても過言ではありません。
しかし、この詩集が、時の過ぎるに任せてこのまま朽ち果ててしまうことが、どうにも残念で仕方がありませんでした。むしろ今こそ、これからの若い人たちに、とりわけ女性たちにこの詩集を読み継いでいただきたいという想いで、詩集の復刻に踏み切ったのです。

序詩の「人が最も真実でなくてはならない/美しい時が 来たのです」が示すように、これこそが、先生のご生涯を貫いていた希望のことばに他ならないのではなかったのかと思います。
竹内てるよ先生の詩は私の心のバイブルです。一人でも多くの読者とのご縁が結ばれることを、祈ってやみません。

発行人 小倉広子


●しおり付き(上の4種類いずれか)    画・たけだみよこ

本書の復刻について

本書は、昭和36(1961)年10月10日、蛍草会出版部(山梨県大月市猿橋町)より発行された『詩集 美しき時』(竹内てるよ・著)を、著作権継承者の諒承を得て、新装復刻したものです。
当時の新聞報道によると、詩集は竹内さんの一人息子である徹也さんの三周忌に、周囲の人たちの善意やプリント印刷の喜多井仁さんのご尽力によって出版されたものとあります。
本書を再編集するにあたり、『海のオルゴール ─ 子にささげる愛と詩』(家の光協会)、『生命の歌』(溪文社)、『静かなる夜明け 竹内てるよ詩文集』(月曜社)を参考とさせていただきました。
尚、本書出版に際し、月曜社の小林浩氏には、多大なご尽力を賜りましたことを、記して御礼申し上げます。

オフィスエム

本文より 「生きたるは」

生きたるは
奇蹟でもなく 生命の神秘でもない
生きたるは 一つの責である

病は五つあるとも 七つあるとも
どの一つもが 不治なりとも
死んではならない ときに死ぬまい

生きたるは 一つの責務
正しく死せんための 一つの証
正しき死にあってのみ
いかにして いのちを惜しまん

生きたるは一つの責
不安と苦痛にも 麻薬を用いず
正しき いのちの寿を守るため

生きたるは一つの愛
さびしさにも 不幸にもいたずらにも嘆かず
自らのたましいを 汚さざるため

生きたるは
奇蹟でもなく 生命の神秘でもない
生きたるは
唯一にして 無二の責務

かなしくも いまだ
死に価することをせむため

生きたるは おくればせても
死に 価して死なんためなり

本文より「頬」

生まれて何も知らぬ 吾子の頬に
母よ 絶望の涙をおとすな

その頬は赤く小さく
今はただひとつのはたんきょうにすぎなくとも
いつ人類のための戦いに
燃え輝かないということがあろう

生まれて何もしらぬ 吾子の頬に
母よ 悲しみの涙をおとすな

ねむりの中に
静かなるまつげのかげをおとして
今はただ 白絹のようにやわらくとも
いつ正義のための戦いに
決然とゆがまないということがあろう

ただ自らのよわさといくじなさのために
生まれて何もしらぬ 吾子の頬に
母よ絶望の涙をおとすな

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著者紹介

竹内てるよ(たけうち てるよ)
1904(明治34)年、北海道札幌市に生まれる。病弱にして10歳で上京。その後、日本高等女学校を卒業間近にして肺結核療養のため中退。婦人記者生活を経て20歳で結婚し1児をもうけるが、25歳の時、脊椎カリエスと診断され離婚を余儀なくされる。その際、息子徹也とも生き別れる。
以後、闘病と詩作に励む。

戦時中は長野県穂高町の友人宅に身を寄せ、戦後は東京世田谷区赤堤に暮らす。
1952(昭和27・47歳)年『竹内てるよ著作集』(全4巻)宝文社より発刊。

療養を兼ねた山梨県大月市で25年ぶりに息子徹也と再会を果たして共に暮らし始めるが、まもなく徹也は舌癌のため死去。その3回忌に詩集『美しき時』を出版(1961年)。

昭和50年代後半は東京都板橋区向原へ転居。1977(昭和52)年に『海のオルゴール』(家の光協会)を出版。同書は2度にわたりテレビでドラマ化され話題を呼んだ。

最晩年は新潟市に転居。2001(平成13)年2月4日逝去。享年96歳。

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報道での紹介

『竹内てるよ詩集 美しき時』が4月19日(日)読売新聞全国版の読書欄で紹介されました。

掲載されたのは「本のソムリエ」のコーナー。
読者から「どんな時も強く自分を持ち続けた人の本を紹介してほしい」という要望に、近現代史学者の加藤陽子氏が、「戦前の女性の地位の不条理を生き抜いた」人物として、竹内てるよを紹介。本書も紹介されました。

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