HOME » 子育て・教育・脳科学»学びの道・教えの旅

学びの道・教えの旅


清水和彦自叙伝
戦前・戦中・戦後を生きて
清水和彦/著

2005年6月7日発行
A5判上製・522ページ
本体価格3,333円+税(税込3,500円)

清水和彦先生自叙伝刊行会/編

装幀:石坂淳子

★著者プロフィール

一教育者による、壮大なる自叙伝への試みと
戦後60年、長野県教育への歴史的検証

上條宏之「編集後記」より

… 先生の戦前・戦中の人格形成期・学問始期と軍隊生活、続く敗戦直後の中国史研究への「学びの旅」が、克明に記述されていた。さらに戦後の高等学校教育界の諸相が、先生の個人的体験を超えた、歴史研究者ならではの叙述となっていた。それはまた(中略)戦後60年を迎え、戦後改革で生まれた日本の教育が教育基本法から見直しが企てられているときに、見逃してはならない「教えの道」に関わる叙述に満ちていた。

【目次】

●はじめに

●序章 わが家のルーツ

一 私の生まれた清水家
二 祖母の昔話
三 祖父と父

●第一章
私の生い立ち(大正15年4月 ─ 昭和13年3月)

一 小学校入学以前
二 北安曇郡常盤村尋常高等小学校のころ
小学校一、二年のころ/小学校三、四年のころ/小学校五、六年のころ
三 子どもの暮らしと遊び
子どもの暮らしぶり/猟銃発砲事件/「おんべ」/「かまめし」/自宅に中隊長が泊まった陸軍大演習/清水屋殺人事件/生活のさまざま
四 大町中等学校に学ぶ
上級生への絶対服従/小山茂市先生/蓄膿症手術と私の劣等感/配属将校制度/悪知恵を働かせた青年団運動会/リンゴ園荒らし/白紙答案と同盟休校/電車通学/家の手伝い/卒業、そして受験/浪人の一年/大人へ脱皮する苦しみ

●第二章
戦時下の国学院大学(昭和13年4月 ─ 16年12月)

一 東京での生活と印象深い教授陣
東京生活/今泉忠義教授/武田祐吉教授/折口信夫教授/金田一京助教授/
松永材教授/松田壽男教授/小林元教授/秋山謙三講師/花山信勝講師/
樋口清之教授/細谷俊夫講師
二 戦時下の学生生活
教練と野外演習/吟詠部の活動/赤痢の自然治癒/太平洋戦争に突入
三 徴兵検査と大学受験
学徒出陣/受験勉強と浪人/徴兵検査甲種合格/再試験で東北帝国大学に合格/国学院大学時代は私にとって何であったか

●第三章
私の軍隊生活(昭和17年10月 ─ 20年9月)

一 金沢東部第五十二連隊山砲隊へ入営
第二次学徒出陣/しごきのなかの初年兵/軍馬との生活/たった一度の満腹感
二 員数合わせの泥棒養成所
班長の命令による泥棒/壮絶な制裁/冬の金沢
三 中国保定の予備士官学校
保定への旅/指揮小隊に配属/山砲の演習/南口鎮の長期演習/中国人の抵抗・「俺的無関心」/卒業、見習士官/北海道帯広への旅
四 北部第五十一部隊高射砲連隊
厳寒の帯広/母親の来訪/陸軍少尉に任ぜられる/上等兵の脱走/帯広の信州人
五 静岡県蒲原町の山田部隊
帯広から計根別、そして蒲原へ/高射砲陣地づくり/B29による空襲/私の結婚/グラマンの来襲/八月十五日/私の敗戦処理/「不戦の誓い」

●第四章
敗戦直後の東北帝国大学(昭和20年10月 ─ 23年3月)

一 わが「支那学研究室」
人間改造への出発/仙台へ辿り着く/教授陣と同僚たち
二 変則つづく大学生活
松風寮/極端な物不足/卒業論文に取り組む/副手になる

●第五章
松本深志高等学校の新米教員(昭和23年4月 ─29年3月)

一 新制高校発足と新任教師
教職適正審査を受ける/旧制松中から新制深志へ/占領下の教育/教員再教育と研究授業/クラス担任とユニークな生徒たち/混乱の中で/八五分授業と単位認定会議/校長と校用技師/小林有也初代校長の胸像除幕式と山本文香先生/校内放送施設づくり
二 学校行事と学校生活
試行錯誤の入学試験/卒業式・卒業生表彰/合唱コンクールと記念祭/クラブ活動とクラス遠足/補充授業と講演会/東北大学再訪・学会参加と求職活動/生徒指導・授業料問題/中高連絡会/「大検」と「進適」/社会科の研修旅行
三 私の家庭生活と交流した人々
松ビル食堂に住む/南浅間へ引っ越す/アメリカの姉と兄

●第六章

私の組合活動とカルカッタ労働大学留学(昭和29年4月 ─31年3月)
一 私の組合活動事始め
教職員組合から高校教員が離脱/深志高校教員が長野県教組にとどまる/長野県教組本部への専従役員問題
二 長野県教職員組合専従役員となる
長野市へ単身赴任/日教組大会への出席/長野市で開催された日教組第四次教育研究全国集会
三 カルカッタ労働大学へ赴く
国際自由労連・労働大学とは何か/インドへの出発/カルカッタに第一歩を印す
四 労働大学の生活から
労働大学の組織と集った人々/ホステルでの生活が始まる/開講式とポルトガル官憲のインド人射殺事件と/カリキュラムと授業内容/労働者教育センター/労働組合と政党との区別など/私や日本人が学んだことと大学の生活/ピクニックに行く/日本人学生の国際自由労連批判/インドの中立政策/日本の再軍備問題とアジア
五 私の見たインドの社会
婦人の問題/生きていたカースト制度/一六パーセントの識字率/聖牛観と近代化/プージャ(祭り)の賑わい/カルカッタの横顔/インドに期待すること/帰国の途へ/留学の後に

●第七章
深志の教壇から県教組副委員長へ(昭和31年4月 ─35年3月)

一 松本深志高校の教壇に立つ
スタティックな生活/教育課程審議会委員/創立八〇周年
二 継続した組合との関係
松本蟻ヶ崎高校・深志高校教職員組合副委員長/勤務評定反対闘争始まる/県教組専従副委員長への出馬
三 激務の長野県教組専従副委員長
年間一九〇日の出張/「勤評は戦争への一里塚」/林虎雄県知事の仲裁/関東ブロックのオルグ/日教組内部の対立抗争/オルグ講習と台風七号/木曽郡神坂村の越県合併/教育研究集会の共催/マツール学長との再会/沖縄事情説明会──実はとんだ偽もの/岐阜県へのオルグ/県評幹事としての出会い/蟻ヶ崎に自宅をつくる/深志へ復帰するころ

●第八章
みたび松本深志高等学校へ(昭和35年4月 ─39年3月)

一 松本深志高校へ復帰したころ
クラス担任・教務主任の兼務/組合活動で出歩く
二 多彩な教育活動
安保騒動と生徒自治会/私と同和教育問題/社会科教員の研修旅行/とんぼ祭賛歌/地歴会考古班の発掘/遠足・ハイキング・登山/教務と生徒指導と/尚志社の炎上

●第九章
大町北高等学校の新任教頭(昭和39年4月 ─41年3月)

一 教頭に任命される
大町北高校への転任/管理職への第一歩/辞令交付と初仕事/校舎全面改築の費用集め/安らぎを覚えた教頭会
二 各種の学校行事
学有林作業/ソフトクラブの全国大会出場/集団登山と海水浴/関西への旅など/制服の指定店問題
三 電車通勤と人々との出会い
一時間以上の通勤時間/さまざまな懇親会

●第十章
松本深志高等学校へ教頭として帰る(昭和41年4月 ─45年3月)

一 波瀾万丈の深志教頭時代
深志への転任が決まる/仕事が集中した教頭職/低姿勢の第一歩/校内の人間模様/教案作成は自宅で/社会科研修旅行/深志同窓会と九〇周年記念事業/教頭会と中高連絡会と/学校参観への応対/組合活動の行方
二 さまざまな生徒と向き合う
問題の多かった生徒指導/生徒の自殺/学生運動の余波/PTAと郷友会/私の経験した西穂独標遭難事故/入学試験をめぐって/在職四年間の深志
三 私の仕えた三人の校長と私の人事
赤羽誠校長/伊沢集治校長/平林六弥校長と私の篠ノ井高校長への赴任

●終章に代えて
高等学校長としての私(昭和45年4月 ─55年3月)

はじめに
一 篠ノ井高校長のとき
二 長野県教育委員会教学指導課のとき
三 東部高校長のとき
四 松本美須々ケ丘高校長のとき

●著者略年譜

●あとがき

●編集後記

編集後記

清水和彦先生自伝刊行会/代表・鶴見尚弘

2001 年(平成13)、長野県松本深志高等学校、1952年(昭和27)3月卒業の第4回生を初めとする地歴会OBが、松本市で恒例の親睦の会を開いた。地歴会とは、課外活動のサークルで、地理学・歴史学・考古学・民俗学に関わる研究に夢を託した少年たちが集う場であった。OB会出席者には、地理・歴史の道に関心を持ち続けた者が多く、地歴会顧問として出席された清水和彦先生が、宴の中で、「自叙伝の試み」を執筆されていると話されたことに関心を持った。

「自叙伝の試み」は、先生が長野県松本美須々ケ丘高校長に赴任された1978年(昭和52)の8月、「私の最後の教員生活の場であることを覚悟」し、「私なりに自分の来し方の記録を残そう」と書き始められた(本書「はじめに」)。上質の大学ノート10冊近くにびっしりと書き込まれ、1979年にひとまず書き上げられている。ご家族のために遺そうとされたものである。

そのうち4冊を敢えてお借りして拝読したところ、先生の戦前・戦中の人格形成期・学問始期と軍隊生活、続く敗戦直後の中国史研究への「学びの旅」が、克明に記述されていた。さらに戦後の高等学校教育界の諸相が、先生の個人的体験を超えた、歴史研究者ならではの叙述となっていた。それはまた、松本深志高校草創期の新知見をふくむだけでなく、戦後60年を迎え、戦後改革で生まれた日本の教育が教育基本法から見直しが企てられているときに、見逃してはならない「教えの道」に関わる叙述に満ちていた。

先生は公刊を固辞されたが、お願いして、2004年に松本市在住の井口庸生・丸山盛栄・西原嘉宏・横内範夫四氏と上條宏之が編集に入った。先生の叙述は多岐にわたり、膨大なページ数になるため、内容を限定し削減した。出版事情が厳しい中、オフィスエム・村石保氏の協力を得、清水和彦先生の松本深志高校の教え子有志の皆様を中心に刊行会を組織して、本書を刊行する。

(2005年憲法記念日に 上條宏之記)

※本書をご希望の方は弊社までご連絡ください。
オフィスエム 026-237-8100

★著者プロフィール

0件の読者の声 »

コメントはまだありません。

この投稿へのコメントの RSS フィード。 TrackBack URL

本の感想をお寄せください。

編集部で掲載の可否を判断させていただきます。
あらかじめご了承ください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)




TOPへ戻る