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一茶さん


<絵本>小林一茶・心のふるさとをたどる
森貘郎/板画 一茶記念館/編

装幀:酒井隆志
品切れ中

2000年7月発行
A5判変型・40ページ
本体価格1,200円+税(税込1,260円)
ISBN4-900918-31-8 C8792



★著者プロフィール

板画(ばんが)でたどる、小林一茶の生涯と俳句世界

“ユニークで人なつっこい”
現代にも親しまれる独自の俳句文学を残した俳人・小林一茶。一茶さんの俳句の世界は、心のふるさとに続く一本道です。

これがまあついの栖か雪五尺

雪がふってきました。
ひさしぶりのふるさとの雪を、一茶さんはじっとながめていました。
一茶の生まれた所は、山国信州の北のはずれ、柏原という村です。
雪がどっさりとふる村です。
十五歳のときに村を出て、江戸まではたらきに行きました。
それから三十五年、
ようやく、一茶さんはふるさとに帰ってきました。

門の木もまずつつがなし夕涼

もくじ(掲載句の一覧)

是がまあついの栖か雪五尺

春立つや弥太郎あらため一茶坊

雀の子そこのけそこのけ御馬が通る

そば所と人はいうなり赤とんぼ

われと来て遊べや親のない雀

馬の子の故郷はなるる秋の風

大江戸や芸なし猿も花の春

木々おのおの名のり出たる木の芽かな

門の木もまずつつがなし夕涼

我すきで我する旅の寒さかな

行くとしや空の名残りを守谷まで

父ありて明けぼの見たし青田原

心からしなのの雪に降られけり

五十聟あたまをかくす扇かな

はえ笑え二つになるぞけさからは

露の世は露の世ながらさりながら

めでたさも中位なりおらが春

やけ土のほかりほかりや蚤さわぐ

ともかくもあなたまかせの年の暮

雪とけて村いっぱいの子どもかな
春雨や猫におどりをおしえる子
わんぱくや縛られながらよぶ蛍

やせ蛙負けるな一茶これにあり
やれ打つな蠅が手をすり足をする
ありの道雲の峰よりつづきけり

一茶と「ふるさと」/森貘郎

雀の子そこのけそこのけ御馬が通る

板画を始めた頃から一茶の句を彫ってきた。二十年余、板画で食ってきたというべきか、一茶で食べてきたというべきか──と笑ったら、「そんな、一茶さんを食いものにしてきたような人聞き悪いこと言うなや」と忠告されてしまった。そのくせ、「誰に頼まれて彫るわけでなく、好き勝手で売れようが売れまいが彫りつづけるのは俺ぐらい──まさに“おらが一茶”だよ」などと言って、「とかく誰でも皆自分だけの“おらが一茶”と思いこみたがるんですよ」と軽くいなされてしまうのであった。
一茶の句は二百点以上彫っているが、一茶の生涯について深く考えたことはなかった。わかっていたつもりで、案外、なんにもわかっていないことに気づいた。
一茶の俳句──詩と文学の核は「ふるさと」だが、現代風な観光風なものでなく、人間存在の基底としての「ふるさと」だ。21世紀の一茶さんを想い描きたかったが、どうやらそれは“無茶”で、しかし一茶の句は現代俳句にまっすぐ続いていると思う。

★著者プロフィール

森 貘郎
(もり ばくろう)

板画家・杏の里板画館主宰・日本板画院理事
1942年、長野県更埴市(現・千曲市)生まれ。
棟方志功の「板画思想」に共鳴し、自らも板画(ばんが)と呼び、制作を行う。郷土の民話やわらべ歌、また小林一茶や山頭火の俳句を主題にするなど、詩情豊 かな作品を発表。古い民家を保存再生した「杏の里板画館」設立や文化財保存運動に取り組むなど、地域に根ざした独自の創作活動を続けている。
1980年より毎年「一茶暦」を制作。個展を多数する。
主な著書に、『森貘郎板画集』(郷土出版社)、『はなとり地蔵』(板遊舎)、『雪五尺』(板画・信濃毎日新聞社)、『源流の発想<21世紀・ムラ医療の現場から』(板画、小社刊)など。

森貘郎の板画
一茶カレンダー
【2008年版】

森貘郎一茶作品による特選カレンダー。インテリアによし贈り物によし、一茶ファンは見逃せません!
源流の発想
21世紀・ムラ医療の現場から

山村診療所の若き医師による地域からの提言。朝日新聞連載時より森貘郎が挿画を担当。

色平哲郎/著
森貘郎/板画<


一茶記念館
(いっさきねんかん)

小林一茶が生まれ、晩年をすごした長野県北部の信濃町に1960年より開館。2003年新館となり、一茶の生涯と文学・一茶のふるさと・一茶顕彰などを展示し、あわせて、一茶忌全国俳句大会や一茶講座などの、一茶や俳句に関する様々な学習活動を行っています。
>>一茶記念館ホームページ

http://park3.wakwak.com/~issakinenkan/

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