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異空間軽井沢


堀辰雄と若き詩人たち
堀井正子/著[みみずく叢書]


装幀:石川孝[NOEL]

1995年5月30日発行
(97年11月第2刷)
本体価格485円+税(税込509円)
A5判・90ページ
ISBN4-900918-04-0 C0395

品切れ中



★著者プロフィール

日本であって日本でない異空間、軽井沢文学への招待

避暑地軽井沢はまた、若き詩人たちが「物語(ロマン)」を求め、独自の世界を築いた文学空間でもある。軽井沢・追分を舞台に、大正末から昭和の激動を生きた青春群像と文学を読む。

←文学地図/3エリア付き
[新・旧軽井沢]
[中軽井沢・軽井沢南]
[追分宿]

目 次

堀辰雄
必要とされた異空間/軽井沢に出会う/『ルウベンスの偽画』『聖家族』/『美しい村』/『風立ちぬ』/『楡の家』/追分の風土

芥川龍之介
「倦怠」/恋歌/「越し人」

立原道造
「村はづれの歌」/「憩ひ――I・Tへの私信――」「はじめてのものに」/「のちのおもひに」/水戸部アサイ

津村信夫
「小扇」/ミルキィ・ウェイ/長野の少女

野村英夫
出発/少年のように/「改心」

あとがき

附 主要人物・作品索引/軽井沢・追分文学地図

あとがき

軽井沢は不思議な町である。旧軽銀座とよばれるメインストリートは人があふれ、にぎわいと活気に満ちている。ところが、ほんの一歩だけ、裏手の道へ折れていけば、そこはもう静かな別世界である。骨太の樅がうっそうと茂り、浅間山の黒々とした軽石の縁取りがおのずからなるリズムを作る。それぞれの区画には主たる者がいるのであろうが、人の気配はほとんどない。ひんやりとした自然のなかに静かな時間が流れている。
裏手の小道は、にぎわうメイン道路の異空間だった。ここには今も異空間がある。異境に旅立った多くの詩人たちが、若き日に、軽井沢に求めた異空間とはいささか違うような気がするが、私は軽井沢に異空間を見出せたとき、軽井沢が好きになった。
現実に激しくかかわることは文学の誠実な力であるが、全力で夢見ることも、また文学の力量ではないだろうか。
軽井沢に異空間を見出し、文学に定着していった堀辰雄。堀の切り開いてくれた道を明かるくたどっていった若き詩人たち。彼等が全力で夢見る文学を定着していたとき、少数の反戦文学が必死に書かれ、たくさんの戦争文学が時流に乗って書かれていた。

『異空間軽井沢 堀辰雄と若き詩人たち』は、もともとは「信濃毎日新聞」に「信州近代文学への旅第五部 異空間・軽井沢」として1987年7月3日から8 月15日まで連載させていただいたものです。文化部の三島利徳さんの多大なご尽力で連載が可能となったこと、また軽井沢に取材していただいて、美しい写真で連載を飾っていただいたことが思い出されます。その後、1995年に八十二文化財団主催の文化講座のテキストにしていただき、今回、オフィスエムから出版していただくことになりました。出版にあたって、かなりの部分を書き直しました。村石保編集長にはずいぶん面倒をおかけしました。ここに記して、お世話になった皆様に感謝いたします。

★著者プロフィール

堀井正子(ほりいまさこ)

千葉県出身。東京教育大学文学部卒業。東京、沖縄、中国で生活。現在、長野市に在住。PTA母親文庫文学講座講師、信越放送ラジオ「武田徹のつれづれ散歩道」レギュラー。
著書に『小説探究 信州の教師たち』『絹の文化誌』『戸隠の絵本』(以上共著・信濃毎日新聞社)、『近代文学にみる 女と家と絹物語』『異空間軽井沢 堀辰雄と若き詩人たち』『本の中の信州白樺教師』 『堀多恵子・山ぼうしの咲く庭で』(以上小社)等。


堀多恵子・山ぼうしの咲く庭で

小説家・堀辰雄夫人が歩んだ八十余年。軽井沢文学をより深める一書に。
堀多恵子/著
堀井正子/編


本の中の信州白樺教師

理想の教育とは何か。大正期の白樺教師たちの魅力をさまざまな小説に読み解く。
堀井正子/著

近代文学にみる
女と家と絹物語

近代日本を支えた製糸産業界で働く女工たちの群像を、文学の見地から生き生きと伝える。
堀井正子/著

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