がん医療の最前線


「告知」から「看取り」までの4つの提案

諏訪中央病院/編[みみずく叢書]

2000年9月9日発刊
A5判・120ページ
本体価格571円+税(税込600円)
ISBN4-900918-32-6 C0347

装幀:酒井隆志
品切れ中



★著者プロフィール

【目次】

プロローグ 昔とは変わった「死の風景」

恐れずに、まずは「死」について考えてみる

「死」はすべての人にやってくる
なぜ「死」について考えたくないのか
院内死の増加がもたらしたもの
医療から見た死の変化
具体的に死を考える.1:何をどう考えたらいいのか
具体的に死を考える.2:突然の死
具体的に死を考える.3:時間の残された死
具体的に死を考える.4:残された時間をどう過ごすのか
がんの基本的な性質

今や避けては通れない 告知とその周辺

最期の別れもできない!?
死を受容できない現代人
患者さんの反応
家族の反応
残りの生を自分らしく
人生との和解
なぜ告知が必要なのか
寄り添いのない告知は暴力である
医師は死から逃げてはいないか
真実を伝え、ともに死と向き合う

選ぶのはあなた自身 がん治療への心構え

インフォームド・コンセント
インフォームド・チョイス
主流は外科的治療
化学療法の効果と副作用
化学療法の可能性と現状
「効く」とはどういうことか
変わる臨床試験のイメージ
化学療法をすすめられたら
化学療法──私はこう考える
放射線治療の効果と副作用
放射線治療が有効ながんの種類
その他のがん治療

痛みからの解放 緩和ケアという選択

緩和ケアの概念
緩和ケアの歴史と現状
痛みの九割は取り除ける
モルヒネの誤解を解く
緩和ケア技術は日進月歩
精神的な痛みのケア
やりたいことに優先順位を
緩和ケアを舞台に例えると
迷惑かけたくないけれど──緩和ケアを受けたKさんの話
介護力を見極めながら──Tさんの緩和ケア
家族がひとつになって──Nさんとの二か月
緩和ケア病棟とは何か
教師の技能を病棟生活で発揮──Iさんとの交流

エピローグ 咲かそう!命の花

※本書は、『長野日報』紙上に1997年5月21日から1999年6月9日まで連載された「死を大切にする心・地域緩和ケアをめざして」を加筆訂正、再編したものです。

再録:SBCラジオ「月刊つれづれ堂」

2000.9/9放送

パーソナリティ:武田徹さん
ゲスト:平方 眞さん(諏訪中央病院医師)

[武田]どうして平方さんが、この本を作ろうと思ったんですか。

[平方]これはもともと地元の新聞に連載したものなんです。98年に諏訪中央病院で緩和ケアという医療を始めましたが、緩和ケアは、言ってみればホ スピスですね。そのホスピスは、「あそこに行ったらおしまい」「もうなにもしてもらえない」とか、「モルヒネ漬けになっておかしくなってしまう」など、本 当はいい時間を過ごしてもらうためのホスピスなのに、誤解が多いんです。それを理解してもらいたいという思いがありました。あとはそうした治るのが難しい 状態とか、ガンとか困った状態になった時にこういう選択肢があるんだということを知っていただきたいと思ったのが一番のきっかけなんですね。

[武田]実は選択肢というのはたくさんあるんだそうですね、死に至る過程の選択肢というものが。いままであまり提示されたという記憶がないんだけれども……。

[平方]そうですね。一般的に書店で売られている本などでも選択肢がいろいろ載っている本というのはあまりないですよね。この本のタイトルは『ガン 医療の最前線』ですけれども、一般的にテレビなどで医療最前線というと最先端の医療というような捉え方をされる方もいるかもしれませんが、この本の最前線 というのは、ガンにかかってしまった方たちがどういうふうに病気とつき合っていくか、どういうつきあい方があるかという意味での「最前線」なんですね。

[武田]そうかそうか……どなたでも亡くなる直前というのは、ある種の病気になる可能性が高いですよね。ですから先輩方の貴重な体験を我々は知って おく必要があるかもしれない。それと病気になったら「俺こういうふうに死にたいんだよ」とか身近な人に言っておく必要があるよね。

[平方]やはり一度は考えておいた方がいいことではないかなと思います。

[武田]なるほど。この本の目次を見ますとね、大きく四つに分かれておりまして、それぞれ詳しくその内容が文章になっています。はじめの章に「恐れ ずに、まずは死について考えてみる」があって、それから「今や避けては通れない 告知とその周辺」「選ぶのはあなた自身・ガン治療への心構え」、そして「痛みからの解放 緩和ケアの選択」と。非常に重要な問題ばかりですね。

[平方]この「選ぶのはあなた自身・  ガン治療の心構え」の章の中には、ガンに対しての治療法のいろんな選択肢、例えば手術であるとか放射線治 療、抗ガン剤治療、そのほかの治療などのことが書いてあるんですね。この本で基本的な知識を得ていただき、さらにその次の知識が欲しい方には専門的な本を 読んでいただく。その導入にもいいかなと思います。

[武田]最後のほうにね、「咲かそういのちの花」……。そうなんですよ、亡くなる直前までは我々は生きているんだから、質のいい人生を歩みたいものね。

[平方]告知を受けてガンだとわかるといのちが終わってしまったように思ってしまう方が結構多いんですね。ところがガンという病気というのは、治ら ないということがわかっても、いのちの終わりまでにはかなりの時間があるのが普通なんです。短くても長くてもある程度の時間があるのでその時間を最大限に 生かすと、それまでなんとなく過ごしてきた毎日よりもかなりいい時間、密度の高い時間を過ごせる可能性が多いんですね。

[武田]ガンになって、自分のいのちがあとどのくらいと告知されて、ものすごく悩むんだけれども、それを受容した瞬間に世の中が全く違って見えるという話をよく聞くんだよね。

[平方]そうですね、やはり自分にとっての悪い情報を伝えられるわけで、必ず気持ちは落ち込むんですね。ただそれを支えていく体制、支えていく姿勢、それがあると大体二週間以内には次に一歩踏み出すための心の準備が出来てくるんですね。

[武田]我々必ず死というものには直面するわけですから、まず元気なうちから死について考えてみる。それから自分の死に方をどうしたらいいかと。私 も結構考えているんですよ、五十過ぎてから。そのためにも是非この一冊を読んで頂きたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

★著者プロフィール

【執筆者】

平方 眞(ひらかたまこと)
’62年生まれ。諏訪中央病院緩和ケア医長、血液内科医。山梨医科大学卒業後、武蔵野赤十字病院で総合臨床研修。北海道厚岸町立病院での地域医療実践、自治医科大学での血液内科研修を経たのち、平成6年より諏訪中央病院勤務。平成10年7月、同病院に緩和ケア病棟が開設されるのにともない、それまでばらばらにおこなっていた病棟、在宅、外来緩和ケアを一つのチームに統合し、総合的な緩和ケアをおこなう体制を確立。趣味は音楽で、最近は多忙なためもっぱら鑑賞ばかりしているが、機会があれば年1~2回ぐらいは演奏会にも参加する。

高木宏明(たかぎひろあき)
〈2・告知とその周辺〉
’60年生まれ。名古屋大学卒業後、岐阜県高山市久美愛病院を経て、現在諏訪中央病院内科主任医長、併設介護老人保健施設「やすらぎの丘」施設長。「専門は?」と聞かれるといつも困る、ただの一般内科医。登山、ギター、読書好き。最近読むのはカント、マルクス、チベット密教、トルストイ、週刊金曜日(何の脈絡もなし)。将来は「晴耕雨読」ならぬ「晴耕雨医」を目指す怠け者。

山下共行(やましたともゆき)
〈3・がん治療への心構え、化学療法部分〉
’57年生まれ。諏訪中央病院内科主任医長。専門はがん化学療法、内分泌。筑波大学医学専門学群を卒業後、東京女子医科大学内分泌外科で外科医として乳がんや甲状腺がんの治療にあたった。思うところがあって外科医から内科医に転身し、国立がんセンター東病院化学療法科で研修後、現在に至る。趣味はラグビー、自転車、スキーなど。モットーは「毎日を悔いのないように生きる」。一見元気な中年男だが、実は病弱でよく病院のお世話になっている。

諏訪中央病院
長野県茅野市にある、全国的にも注目を浴びる地域医療最前線の病院。平成10年には緩和ケア病棟も開設し、病棟・在宅・外来がチームになって総合的な緩和ケアを行っている。
保健医療福祉管理者・鎌田實氏の本
共著『ホスピス最期の輝きのために』
対談『内藤いづみ対談集/あなたと話がしたくって』

1件の読者の声 »

[...] オフィスエム <長野市の小さな出版社> : がん医療の最前線 [...]

ピンバック— 2009 年 8 月 14 日 @ 3:13 PM


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