装幀:中村仁
1999年12月10日発刊
A5判変形・96ページ
本体価格1,429円+税(税込1,500円)
ISBN4-900918-26-1 C0074
クリニクラウン(臨床道化師)塚原成幸の原点がここに
東京で生まれ、信州に学び、選んだ道はたった一人の道化師稼業
阪神淡路大震災では長野大学ボランティア隊を率いて神戸に飛び、地元に帰れば公民館で道化師講座
その生きるパワーの源に、いつも笑顔が輝いている
八方ふさがりの現代人に贈る愛と勇気の応援ストーリー
「何かするにはあまりに短く、何もしないにはあまりに長い人生」そんな一生を一笑懸命に全うしたい……そんな願いが私を道化師の世界に導いてくれたのです。大げさかもしれませんが、笑いこそが人間の希望であり夢なんだと信じています。いつも笑顔の傍らに身を置きながら、そんな思いを人に伝えていけるような道化師としてのお節介を、これからも続けていこうと決めています。(まえがきより)
わらっていこう──山の道化師PACKMAN THE CLOWN・塚原成幸
PART1 塚ちゃんがパックマンになったわけ
東京で生まれ育った塚ちゃんが、なぜ信州で、しかも道化師になってしまったか。家族、旅、出会い、仲間、事故……少年時代から大学卒業までの塚ちゃんとパックマンの物語。
PART2 塚ちゃん神戸に行く
道化師稼業も板についてきたある日、阪神淡路大震災は起きた。突然、塚ちゃんは神戸に飛ぶ。瓦礫のなかで始まった神戸の人たちと塚ちゃんの二十代後半の物語。
【インタビュー】野田北部まちづくり協議会 焼山昇二
人生の大事なことを教えてくれた。この若者、ナメたらあかん。
【体験レポート】塚原成幸
本当の夢を教えてくれた 神戸・野田北部
【インタビュー】野田北部まちづくり協議会会長 浅山三郎
復興したらパックマンを……。これが二人の約束だった。
PART3 普通の人々のなかへ…
神戸の人々に別れを告げてから、塚ちゃんの何かが変わりはじめた。パックマンといっしょに地域に根を張って生きはじめた塚ちゃんの今、そしてこれからの物語。
パックマンはみんなの心のなかにいる。──寺島純子
寺島純子
カメラマンの和田君と塚原さんを追いかけはじめて、もう2年半が過ぎた。
出会いは、松商学園高校の放送部顧問をしていらっしゃる金井先生から「素敵な若者がいるよ」と教えていただき、塚原さんの自宅を訪ねたのがきっかけだ。道化師を職業としてやっていること、そして、阪神大震災のときに長野大学の学生たちを組織してボランティアをし、今でも支援を続けているという話に興味をもった。
なにしろ、金井先生の一言が効いた。
「私が会ったなかで一番素敵な若者なんですよ」
この言葉にはグラッときた。
素敵な若者に私も会ってみたい。好奇心とはこれほどヨコシマなんである。
道化師といえばピエロ。ピエロは孤独で人生の悲哀を笑いに変える職業……そんな先入観もあって、塚原さんのイメージは「横顔に哀愁をたたえた孤独でシャイな青年」という一点にしぼられた。
ところが、出会った塚原さんは、すこぶる元気で明るい。暗さのかけらもない。体力もありそうだし、自宅もシンプルながらこぎれいで、キッチンなんか私んちの台所よりずっとカワイイかんじにかたづいている。陰なんてないじゃないか!すっかり私の先入観はくだかれた。
それから2年半もの時間、どうして塚原さんを追いかけてきたんだろう、と考えると、この「元気の素」を発見したい、というのがあったからだと思う。だって、こんなに元気な人っていないんだもん。きっと塚原さんにも深い悩みや哀しい思いというものがあるはずだ。あるにちがいない。そんな勝手な空想を膨らませて、それを突き止めたい一心でついついこんなに関わってしまった。
ステージを見た。神戸にも2回行った。講座にも潜入した。自宅に押し掛けて根ほり葉ほり話も聞いた。随分と邪魔な存在だったかもしれないけれど、嫌な顔ひとつ見せず、いつでも笑顔で私たちに全てをさらけだしてくれた。大切な人たちを惜しげもなく紹介してくれた。
それで私が思ったことは、塚原さんてホントにすごい!ということ。知れば知るほど、自分の小ささを思い知らされるばかりで、こんな人が今の同時代にいることが奇跡みたいに思えてくるのだ。
子どもの頃、学生時代、塚原さんはみんなと同じように苛立ちや大人社会への不満も感じている。交通事故という大変な命の危機にも遭遇する。でも、そういう「負」の現実に出あっても、さらにパワーアップしていっちゃうようなたくましさを持ってるんだよね。
それがそのまま「道化師的」なんだということに、ようやくこの頃、気がついた。パックマンというキャラクターを持ち出すまでもなく、塚原さん自身が道化師だった。
そう、塚原さんは道化師を生きている。人生というステージを精一杯に楽しみながら毎日を輝かせている。なんだかんだと周りのせいにしてグチグチ言ってる時間があったら、自分の力で命を輝かせてほしい。誰だって生きているだけで素敵なんだよ。そんなメッセージを全身で発しているようだ。
生きてるってことがどれほど素敵なことか。
人と違うことが、どれだけチャーミングなことか。
パックマンは、きっとみんなの心の中にいると思う。くじけそうになったとき、やけっぱちになったとき、パックマンは現れてこう言ってくれるにちがいない。

山の道化師PACKMAN
(やまのどうけしぱっくまん)
シアター道芸・つかはらしげゆきが演じるクラウンキャラクター(道化師)。愛と勇気をモットーに日々公演活動を行っている。日常生活の中にある素朴なトラ ブルを愉快なコメディーに変えて人々にプレゼントすることを得意とし、どんな空間でも劇場にしてしまう特技をもっている。
「笑っていこう!」こそ彼の原点であり、伝えたいテーマである。
塚原成幸(つかはらしげゆき)
道化師・紙芝居役者。1967年東京都生まれ。長野県塩尻市在住。少年時代より旅が好きで各地を遊学。長野大学入学を機に信州に移り住む。在学中、保育園 で働いたことをきっかけに紙芝居や人形劇に出会い、以後一人舞台の方向性を模索する。やがて、「就職するなら自分で仕事を創りたい」と考え、卒業と同時に 移動劇場『ストーリーシアター道芸』を旗揚げする。その後、オーストラリアやアメリカで道化師芸の基本を学び、現在、クラウンとして全国各地で上演を続け ている。
市民を対象に「道化的発想」を伝えるための『体験講座』や『あそび塾』を開講し、受講生はそれぞれ自主サークルをつくるなど、草の根文化に一役買っている。
また、ライフワークとして1995年より神戸の復興支援活動にかかわり、まちづくりや住民回帰事業に協力している。
本書の出版後…ホームページより
>>www.clownpackman.jp
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2003年より地域社会支援ネットワーク・信州あかいはなnetの事務局を担当。表現活動の可能性を広げる「あかいはなスマイルスクール」や、人とのかかわりに笑顔の輪を広げる「信州ケアクラウン協会」も運営している。
日本初となるクリニクラウン(臨床道化師)協会の設立に協力し、2005年より特定非営利活動法人・日本クリニクラウン協会の事務局長とアーティスティックディレクター(クラウン養成責任者)を兼任している。
パックマンに会いたいなら、黒姫童話館へ!
塚原さんのホームグラウンドともいえる黒姫童話館(長野県信濃町黒姫高原)では、開館期間中のほぼ毎月、「パックマンパーティーin黒姫」を開催しています。
>>黒姫童話館ホームページ
女性30代●人はみんな自分を輝かせる力をいる。そして誰もがたった一人の、たったひとつの尊い存在。自分さえ我慢すればいいと思って生きてきたけれど、自分のこともあなたのこともみんな大切にしようと思うようになりました。
女性50代●こんな生き方もあるんだと素直に感動。もっと多くの人に読んでほしい。
男性35歳●“ つかはらさん”が知りたくて、その道の方に紹介して頂き、この本に出会いました。私も、災害(阪神)にあいました。でも私にはなにも出来ず、郷里に帰ってしまった。ハズカシさや、くやしさが、わいてきました。ぜひ、会ってみたいと思った。とても楽しく、考えさせられた。アリガトウ。
女性40代●人とのかかわり、生き方……迷う時に何度も開いてみたい本です。
コメント— 2008 年 9 月 16 日 @ 5:36 PM
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