設計職人の仕事とその家族たち
川上恵一 著
本体価格1,800円+税(税込1,890円)
大好評! 増刷出来!
いい家は住む人と作る人の魅力的な個性で作られていく
著者 川上恵一氏のサイン本を限定販売
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A5判カラー・206ページ
ISBN978-4-904570-00-5
C0052
☆著者プロフィール
(有)かわかみ建築設計室ホームページ http://www.kawakami.org/
☆発刊記念トークイベントを開催します。
6月20日 平安堂あづみ野店カフェぺえじ
住まうということは生きていくということ。
毎日の暮らしを営むことです。
いい家は使われながら時の中で美しくなっていく……。
親から子へ、子から孫へと住み継がれる家とその家族の物語。
「家のあるべきかたちをもとめて」
学業を終えて信州に戻り、設計を生業として30年余りが過ぎました。その間、住まいを中心に約300軒の建築を造ってきました。30年前、戻った当時は右肩上りの高度経済成長期で、質より量の時代でした。家のデザインもカラフルで、思い思いの新しい「夢の住まい」が村や町にどんどん出現しました。半永久的・メンテナンスフリー・軽薄短小・消費が美徳……などという言葉とともにライフスタイルも激変して、全て新しくすることが正統とされていました。21世紀に入る直前、流れに急ブレーキがかかり成長は停止むしろ下降し、人口減や資源の枯渇など、地球環境と人間の経済発展のバランスの限界を目の当たりにすることになりました。それから10年、今や世界の経済がさらに急降下しています。
設計という仕事は、「時代」という大きなうねりのなかで海に浮かぶ小船のようなものです。時代が求めるもの、その時代の空気、経済力など、これほど影響を受けるものはないかもしれません。しかし私は、いつの時代であっても本来あるべき「住まいのかたち」はあるはずだ、という気持ちを持ち続けてきました。その、あるべきかたちを求めて先人が残してくれた足跡を見ているうちに、おぼろげに答えのようなものが見えてきました。時代に流されることなく貫いている3つのことが確信できたのです。それは、地域には風土と折り合う独特なかたちがある、地域には手頃に使える素晴らしい材料がある、地域にはその土地に根を張って生きる人と技がある、ということでした。
住まうということは、生きていくということです。毎日の暮らしを営むことです。その地ならではの自然環境や地域文化のなかに身を置いて住まうには、知恵や工夫が必要です。住まうことを通して未来への対応力・想像力が育つのです。耐震、バリアフリー、省エネなどの機能はもちろん大切ですが、それはあくまで手段であって住まうことの目的ではないでしょう。本来の家づくりとは、豊かにしっかり末永く暮らすためにこそあるべきだと思います。
今まで関わった家は、それぞれの住まい手の個性や生き方・暮らし方を反映して、ひとつとして同じものはありません。造った時に、そう感じてきたのですが、引き渡した後も、その家族の生活に合わせて、ますます個性的で魅力的になっているということを知りました。家は生きている……。無垢の赤ん坊が、いろいろな環境のなかで人格を育てていくように、造る行為とその後の使う行為があってはじめて魅力的な個性が作られ続けるのだと思い知らされました。
家づくりの仕事を通して出会った家族たちには、それぞれに語り尽くせないほどの物語があり、学びがあります。先輩や職人に学び、施主と共に汗を流した家づくりとその後の家族の素晴らしい物語を紹介しようと思います。
川上「特別なことをしなくてもいいから、ベーシックなところをやっていけばいいんですね。それが、地域に根を張る建築家の役割でしょうか。」
藤森「現在の民家が地域ごとの表現を持っていたら、めちゃくちゃおもしろいですよ。」
川上「いま起きている少年犯罪とか、家の影響があるかもしれませんね。」
降幡「住宅は環境であり教育であると思うよ。昔の家は貧乏で今のように便利ではなかったけれど、今の子どものようなおかしな子は育たなかったでしょう。」
土本「建築分野で総合的な人材を育てたい。大学で身につけたものを一生にわたって活かしてほしい。」
川上「美しさとか、歴史とか、ものの価値とか、文化的なものの見方が求められていますね。」
口下手で控えめな職人さんたちの仕事にかける貴重な姿を紹介します
工務店 (株)奈川建設 小林義和社長
「昔ながらの木を使った家がいちばんいい。木はどんなに古くても蘇る。ちゃんと使ってやりさえすればな。」
大工 (有)江川建設 平井年男棟梁
「現場へは7時に来る。翌日の段取りが決まるまで眠れない。今でも毎日が勉強だ。」
大工 (株)奈川建設 忠地清春棟梁
「15で親方の家に住み込んだ。墨つけができるまで5年。材を見ながら使い場所を決めていく。」
左官 腰原左官店 小林貞雄さん
「コテひとつでできる左官の仕事はおもしろい。もっと若い人たちに人気があってもいいんだけどなあ。」
塗装 (有)奥原塗装店 奥原光彦さん
「言葉で説明できない色のニュアンス。大工さんの気合の入った仕事に触れると手を抜くわけにはいきません。」
建具 丸山建具店 丸山義栄さん
「開けたり閉めたり、毎日使われて役立つ建具。日本の家には欠かせない用と美の脇役です。」
家具 (有)家具工房「春・夏・秋・冬」 藤原哲二さん
「刃物を研いで削りだす瞬間に木を感じられる。そこに、それぞれの木の物語がある。」
造園 牛山造園 牛山和重さん
「ちゃんと暮らしていると庭もきれいにしたくなる。やっぱり家と庭でひとつの「家庭」だからね。」
第一章 ふるさとと建築
地域に還していく建築
[対談] ふるさとと建築 お相手 藤森照信
◆20代で建てた田園の中の民家の香りがする住まい 2005年新築 野澤邸
◆ぶどう畑のまん中に建つ、三世代同居の平成の民家 2004年新築 林・二宮邸
◆本棟づくりの古民家を移築再生して二世帯住宅に 2007年移築再生 吉原民家
◆終のすみかをふるさとに、今こそ大切な本当の民家づくり 2008年新築 【古桑庵】佐藤邸
◆ふるさとの先輩の住まいは土蔵造りの「平成の民家」 1994年新築 藤村邸
◆大正ロマンのまち並みが蘇る『母と子のハイカラ写真館』の再生 2008年再生改築 白鳥邸
〈まちづくりのお手伝い〉
◎松本市/ナワテ通り
◎松本市/大正ロマンのまち 上土
◎松本市/蔵のあるまち 中町
第二章 民家と文化
民家のなかに未来の答えがある
[対談] 民家と文化 お相手 降幡廣信
◆時代を経て思いを受け継ぐ二百年民家 2006年再生 宮坂民家
◆里山に生まれ風雪に耐え二百年、価値を増し生き続ける再生民家 2001年再生 小林民家
◆築80年の養蚕農家が現代の民家として融合 1997年再生増築 百瀬民家
◆築百年の町家を欧風に移築再生。犬と姉妹と母の暮らす家 2006年移築再生 飯島民家
◆長野市の郊外に建つ伝統的りんご農家の再生 2007年再生 森山民家
◆安曇野の里山に建つ土壁伝統工法の現代民家 2008年新築 曽根原邸
〈民家再生のプロセス〉
第三章 人のこころを育てる建築
正しく存在しつづける建築を
[対談] 人のこころを育てる建築 土本俊和
◆遠くに北アルプス、川を眼下に、共につくった温もりハウス
◆家族3人が楽しく暮らす和モダンな洋風民家
◆花や緑をまとい、高台に建つレンガと出窓の現代洋風を
◆日本文化の伝統をくむ数寄屋の住まい
〈憩う 迎える 包み込む 建物たち〉
◎鹿教湯温泉/三水館 ◎美ヶ原温泉/酒井屋旅館 ◎松本市/グループホーム ハーモニー
家づくりを支える職人の手仕事
◎工務店 ◎大工 ◎左官 ◎建具 ◎塗装 ◎家具 ◎造園
住まい手が語る家づくり
◎栗田照美さん ◎瀧澤 功さん
かわかみ建築設計室 紹介
川上恵一 (かわかみ けいいち)
1952年長野県塩尻市生まれ。
1975年早稲田大学理工学部建築学科卒業。
北野建設(株)・(株)降幡建築設計事務所を経て1993年、(有)かわかみ建築設計室設立、現在に至る。
2002年より信州大学非常勤講師、2005年より塩尻市文化財審議委員、2006年より長野県建設工事紛争審査会委員。
松本市、長野市都市景観賞など受賞多数。
(社)JIA日本建築家協会会員。
・(有)かわかみ建築設計室ホームページ http://www.kawakami.org/
川上恵一さんが所属する(社)JIA長野県クラブの信州の建築家ガイドブック
川上氏の作品はもちろん、施主、職人、スタッフも参加しての集大成
家造り物語 伝える一冊 松本の川上さん出版
川上さんは「『民家』は地域の個性や人のつながりが、すべて詰まっている。それを大切にしてきたライフワークを改めて見直し、確認できた。年月を重ねるごとに味わい深くなる家の物語を、多くの人に伝えられたら」と話す。
と紹介されました。
塩尻市にある中島書店高原通り店さん。
『住み継ぐ家の物語』がこんなすてきなポップで店頭で紹介していただいています。
皆様も、是非ご覧下さい。(2009年4月22日)
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あらかじめご了承ください。