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筑紫哲也さんが選ばれた『詩集 恋人にするなら』(手仕事屋きち兵衛)



筑紫哲也さんが亡くなって1年が経ちました。いわゆる筑紫本が、いま売れているようです。筑紫さんがジャーナリストとしての枠を超えた存在だったことを物語っていると思います。
その内の1冊『筑紫哲也 永遠の好奇心』(朝日新聞出版)に、筑紫さんが肺がんを宣告されてからの、最後の日々を綴ったノート「残日録(抄)」の2月10日付に、小社発刊の詩集『恋人にするなら』(手仕事屋きち兵衛)が「私が選ぶ10冊」に選ばれていました。
その、2月10日を以下にご紹介します。

前略
お申し越しの「私が選ぶ10冊」のリストをお送りします。/私たちの国では詩人(歌人やソングライターもふくむ)に対して与えられて当然の評価や位置が与えてられていないことへの抗議と自己批判をこめて作成しますと、こんな10冊になってしまいます。/よろしく。
1 茨木のり子『椅りかからず』(筑摩書房)
2 山之口貘『山之口貘詩集』(現代詩文庫 思潮社)
3 寺山修司『寺山修司全詩歌句』(思潮社)
4 吉野弘『贈るうた』(花神社)
5 竹内浩三『竹内浩三全集1 骨のうたう』(新評論)
6 手仕事屋きち兵衛『詩集 恋人にするなら』(オフィスエム)
7 川田順『歌集 宿命』(短歌新聞社)
8 工藤幸雄『十一月 ぼくの生きた時代』(思潮社)
9 姜琪東『身世打鈴』(石風社)
10 井上陽水『心もよう』(メディアファクトリー)

そんな折、奇しくも詩人の谷川俊太郎さんの「詩はどこへ行ったのか」というインタビュー記事が『朝日新聞』に掲載されました。その見出に、詩は、「漫画にコスプレに薄く広がった詩情、金や権力になじまぬ」「割り切れなさ奪う言葉のデジタル化、音や手触りが重要」とありました。これは詩人の側からの、いま詩が置かれている状況の痛切なまでのメッセージであり、筑紫さんの、詩が与えられて当然の評価や位置が与えられていない、という言葉と深く重なっているように思います。
その筑紫さんの最後の「私が選ぶ10冊」に小社の『詩集 恋人にするなら』が選ばれたことに、深い感銘を覚えずにはおられません。合掌。

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