長野県東御市。その祢津地区に江戸時代に建てられた歌舞伎舞台が2つも残っています。
毎年その歌舞伎舞台を使って地域の人たちが歌舞伎を演じています。いわゆる地歌舞伎、村歌舞伎というものです。さっそく見物に出かけました。

見物に伺ったのは東町と呼ばれる地域に残る歌舞伎舞台。この舞台は廻り舞台を備えた、なかなか立派なものです。だいたいこの手の舞台は神社の境内にあることが多く、この東町の舞台も神社の境内にあります。おそらく神社の祭礼に併せて歌舞伎を上演し、神と人が一体になって楽しむという日本古来の考えを継承したためでしょう。

演目は地元小学生歌舞伎クラブが演じる『勧進帳』。歌舞伎保存会が演じる『菅原伝授手習鑑 寺子屋の場』。
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開演前から大勢の観衆が訪れています。
最初は小学生の『勧進帳』から
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弁慶、義経、富樫など主要な配役はこの3月まで小学生だった中学1年生(1年間のクラブの成果をこの舞台で発表するため6年生は中学進学の後になります)が演じます。
衣装もなかなか本格的で、所作が決まるごとに客席からおひねりが飛ぶ。中でも弁慶は女の子が演じており、どうしてどうして堂々とした弁慶でした。
弁慶が白紙の巻物で物怖じせず「勧進帳」を読み上げ、一行に不審を抱く富樫が弁慶の読み上げる巻物をのぞきこもうとする。それを眼で制す弁慶。思わず「弁慶!」「よっ!富樫!」と声援を送りたくなるような熱演ぶりでしたよ。

そのあとは保存会の皆さんで演じる『菅原伝授手習鑑 寺子屋の場』。
役者はもとより、義太夫、三味線も地元の方々が演じる本格的なものです。
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こちらは回り舞台を使った本格的なもの。保存会の皆さんの熱演が随所に光りました。

こうして子供から、大人まで歌舞伎に親しむ。決して安い経費でできるものではないと思いますが、それを地域みんなで理解して支える。こういうところが伝統を引き継ぐ力、ひいては地域の底力なのではないかと思います。本当にいいものを見させていただきました。

また、来年も見に来たいな。他の村歌舞伎も見てみたいな。ついでに本物の歌舞伎も見たいな。その時はやっぱり播磨屋さん(中村吉右衛門)がいいな。そんなことをちょっぴり考えています。