2010 年 6 月 10 日
信越トレイルの公式ガイドブック「信越トレイルを歩こう! 総延長80km 心と体がよろこぶ山歩きの旅」が6月18日にいよいよ完成です。
日本初のロングトレイルとして話題を呼び、今や全国だけでなく世界からも注目を浴びている信越トレイル。ガイドブックの企画は昨年の夏のこと。いつものことながら、本を作るとなれば、当然自分たちも行ってみなければ始まりません。社長・寺島をはじめとする我々制作スタッフは全員信越トレイルに挑戦。制作を総担当した日向出身の鴨林君はまったくの山歩き初心者にもかかわらず、否応なくトレイル全線を踏破するはめに……。
最初はテンションが今ひとつだった彼も、美しいブナの森を抜ける里山の尾根道を歩き通して、すっかり信越トレイルの魅力に取り憑かれてしまいました。彼の奥さんのながはり朱実さんには、モデル、デザイン、漫画レポート、イラストと大活躍してもらい(最後までご苦労をおかけしましたが……) 、二人の意気込みと愛着が実り、いままでにない山歩きガイドになったと思います。
これもSTC事務局、なべくら高原・森の家のスタッフの方々、取材に応じてくださった方々、大勢の皆さんのご協力があってこそと一同感謝いたしております。
信越トレイルの魅力は、なんといっても雪国に育まれた貴重な自然・歴史・文化にふれながら、だれもが山歩きの旅を楽しめること。日本の原風景を感じさせる 美しい自然と山里の暮らし。本書のサブタイトルにもあるように、一度歩けば「心と体がよろこぶ」パワースポットなのです。
数ヶ月前のことですが、某ラジオで「世界遺産」特集の番組を耳にし、そこで「石見銀山遺跡」のパンフレットについてのクイズが出題されました。
そのクイズとは、
「パンフレットには石見銀山の特徴をうまくいい表した一文があります。それは
『ここは人類の宝。でも( )。だからゆっくりと歩いて見学を』。
さて、( )の中にはいったいどんな文字(6字)が入るでしょうか」
というものでした。
はたしてその答えは……、
「分かりにくい」。
なるほど。私も訪ねたことはありませんが、何も知らずに石見銀山を訪れても、森に覆われたただの廃墟としか見えないのかもしれません。しかし、中世には世界の銀の3割も産出していた大銀山で、「山を崩したり森林を伐採したりせず、狭い坑道を掘り進んで採掘するという、環境に配慮した生産方式」だったことなど、その背景を知ってじっくりと歩けば、遺跡の価値が納得できるというもの。「見かた」を変えれば、モノトーンの世界が鮮やかな天然色に変わるといったところでしょうか。
信越トレイルも何も知らずに歩いても気持ちいいのですが、その魅力を120%味わうなら、やはり「情報」と「知識」があったほうが断然いい。コース上で何気なく目にする花や木々でも、実はそこでしか目にすることができないものだったり、林の中に続く細い脇道が実は戦国時代に使われていたいくさ道だったり……。ブナ林が広がる美しい自然だけでなく、雪国の営みや歴史が垣間見られる関田山脈という地域を深く知れば、信越トレイルがどんなに魅力にあふれたトレイルなのかがわかっていただけると思います。
山の道は必ず整備する人がいます。整備された道があるからこそ、安全に楽しく山歩きを楽しめる。信越トレイルクラブでは、「スピードのみが追求されつつある社会で、人間が200年前まで頼ってきた『歩く』というスピードに敢えてもどることによって、かつて見えていたものを再び見つめなおそう、そして、21世紀の地域社会のありかた、正しい自然との付き合い方を探し出そうとするのが、この関田山脈トレッキングルートの目的」(関田山脈トレッキング憲章より)としています。信越トレイルは、こうした活動に賛同するボランティアや多くの方々の力によって整備・維持されているのも、これぞ「日本初のロングトレイル」の素晴らしさでもあるのです。
「公式ガイドブック 信越トレイルを歩こう!」にはコンパクトながらコースガイドだけでない楽しめて役立つ情報をたっぷり詰め込みました。
「これから歩いてみようかな」と計画されている方はもちろん、「もう歩いちゃったよ」という方、「信越トレイルってそんなにいいところなの?」と興味をもたれた方、ぜひぜひ手にとって山歩きの旅を楽しんでいただければとうれしく思います。
最後に、1,365円は絶対、お得です。








