5 月 2016


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南アルプスと大鹿村大河原、リニアルート(破線)

『たぁくらたぁ』39号の伊那谷発「風」第4回は、「この谷にリニアはいらない」。その最初の記事が「住民軽視のまま「着工」に向かうリニア」で、そこに掲載したのが上の写真がです。リニアルートを破線で表してありますが、ルートが正確に表示されていません。雑誌では、そのあたりの説明が不十分でした、お詫び申し上げるとともに、ここで改めて筆者の河本明代さん(大鹿村議会議員)の解説を載せます。

『たぁくらたぁ』39号の49ページに掲載された写真は、つれあいがセスナ機に乗せていただく機会があり、機内から撮ったものです。ちょうど南アルプスと大鹿村内のリニアが通る地域が分かりやすいということで、掲載していただきました。ルートは大体の位置を示したものですが、斜め上空から見た写真であるため、平面図で見るルート位置と若干ずれてしまっています。この図では北の原、引の田という集落の真下を通るように見えますが、実際には集落より南側(図の右側)の地下を通る計画です。いずれにしても地下なので、村内でリニア路線が顔を出すのは小渋川を渡る1カ所、約170メートルだけですが、このルート線にほぼ並行して、手前の大西山方面から小渋川沿いにできる変電所まで鉄塔が建ち並び送電線が通ることになります。(河本明代)

なお、破線 が右側に飛び出しているところの集落名は「釜沢」。

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雪の釜沢

本ブログ「惑星地球に生きるなら ななお さかき』参照。


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『たぁくらたぁ』39号が5月25日発行になりました。増ページ号です。目次は以下をご覧ください。

http://o-emu.net/tarkuratar/

表紙写真の作者は、伊藤喜彦さん(故人、滋賀県の信楽青年寮)

こんなに目がいっぱいあれば、ホントのことが見えてくるよ。

こんなに口がいくつもあれば、ボクだってモノが言えるよ。

こんなに耳がいっぱいあれば、あなたの愛のコトバが聞こえるはず。 (森貘郎)



浅井大希さんからの報告をお伝えします。

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沖縄中が、哀しみと怒りと混乱に包まれている。元海兵隊で嘉手納基地に勤務する軍属が、沖縄の二十歳の女性への死体遺棄容疑で逮捕された。
報道で徐々に明らかになるレイプと殺人。3月に那覇で起こったレイプ事件から2カ月しか経っていない。
嘉手納基地で、キャンプシュワブゲート前で、自然発生的に米軍に対する猛抗議が始まっている。
今日は、米軍司令部のあるキャンプフォスターで、女性団体が中心になって呼びかけをしたサイレントデモがあった。黒か白の服装で参加し、スピーチやシュプレヒコールはしない。亡くなった女性を追悼するため、フェンス沿いを歩き、15分ごとにプラカードを基地に向かって掲げるというデモだ。
1500人近い人々が、今にも雨が降りだしそうな梅雨空の下、集まった。
道路の反対側で、尊敬する大先輩のMさんに出会い、立ち話をした。被害者の女性の出身地が本島北部であること、自分の次男と同世代で、友人たちが行方不明の彼女の行方を懸命に探していたことなどを話しているとき、Mさんが突然ぼろぼろ泣き出した。「何度こんなことが繰り返されるんだ…」と声を振り絞って。

 およそ一時間のデモは、最後までサイレントに終わることはなかった。デモの終わる10分前、一人の車椅子の女性が、ゲートの中央で、ゲートの奥に整列し、こちらを監視する米軍兵士に対し、プラカードに書かれた言葉を叫び始めた。何度も何度も。

Withdraw all U.S. Forces from Okinawa!
(全ての米軍は沖縄から撤退せよ)
UNFORGIVABLE That woman is Okinawa.
(絶対に許すことはできない。あの女性はオキナワだ)

サイレントの抗議の間も、棒でフェンスのポールを、タンッ、タンッ、タンッと静かに叩き続けていた男性がいた。そのポールを叩く音が、車椅子の女性の叫びに重なって徐々に大きくなる。近くにいる人々が、リズムにあわせて手を叩き始めた。さざ波のように手拍子は拡がり、やがて哀しげな指笛もそれに加わった。

Withdraw all U.S. Forces from Okinawa!
Withdraw all U.S. Forces from Okinawa!
……

(浅井大希)

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火山噴火で、火山灰や火山礫と一緒に黒いスコリアと呼ぶ塊状の多孔質の噴出物が噴出することがある。玄武岩質のマグマから揮発成分が発泡してできたもので、火砕流として斜面を流れ下って火山体を形づくったりもする。

火砕流として斜面を流れ下った阿蘇山のスコリア層が、終息の気配すら見せぬ熊本地震の被災地で、斜面崩壊という深刻な災害を引き起こすことが怖れられている。多発する激しい地震は大地に無数のひび割れをつくり出し、大地のひびから浸透する雨水がスコリア層ごと斜面を流れ下る可能性が高いからだ。

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ところで、環境省は栃木県の指定廃棄物の処理施設の候補地として同県塩谷町寺島入地区を指定した。

かつて、町の指定廃棄物対策班の担当者から手渡された地形図を見て、私は、候補地全体の急峻な地形に比べ、国が候補地したエリアに向かって舌状の緩やかな斜面が形成されていることが気になった。舌状の地形は沢を押し曲げている。あらかじめ予想していたことではあったが、現地に立ってはっきりしたことがあった。この舌状の地形はスコリア質の火砕流がつくりだした地形だった。スコリア層の上には、直径数十センチの礫を含む土石流も乗っていた。

火砕流と土石流が沢を押し曲げている地形の末端が指定廃棄物処理施設の候補地なのだ。候補地は舌状の崩壊性の地盤の裾にある。裾を切れば上からスコリアが動き出す。

しかも、平成27年9月10日の降雨では沢の濁流が候補地に冠水した。こんな土地が指定廃棄物処理施設の安全な候補地であるはずはない。

熊本では大規模な斜面崩壊による災害が危惧されるスコリア層が、栃木では問題のない地質と評価されたのだ。

候補地と決定した栃木県の「有識者」とはどんな方たちなのだろう。候補地選定の理由より、私は彼らの生き方の方が気になって仕方がない。