7 月 2016


長野市民新聞に参院選の結果についてのコラムを書きましたので、このブログにも掲載します。コラムでは長野県(今回の選挙から1人区)の結果に触れていませんが、ここでも自民党候補は落選しました。では以下、ご笑覧ください。

p7054249-001.JPG

(浪江町赤宇木の関場さん宅。家の中は動物に荒らされている。2016.7.5)

参院選挙の結果について、マスコミ報道を見ていたら、まるでアベ自民党が大勝したかのようだった。でも、それは違う。自民党は6議席増やしただけで、2人の現職閣僚が落選している。

落選閣僚の1人は岩城光英法相で、選挙区は1人区の福島県である。3年前の参院選では、自民党が民主党(当時)にダブルスコアで圧勝したが、今回は負けた。東電福島第一原発の事故から5年半が過ぎ、アベ政権は「復興」を唱え続け、来年3月には避難指示区域の大半を解除する。しかし、福島に原発事故の影響は重くのしかかったままなのだ。

南相馬市の小高区は原発から20キロ圏内で、7月12日に一足先に避難指示が解除された。その1週間前に小高区へ行った。町はひっそりしていた。子供のいる家族や若い人たちは戻らないだろうという。帰還を決めた住民の方々にも会ったが、心の底からの笑顔はなかった。

 浪江町の赤宇木地区へも行った。ここは未だに高線量地帯で、帰還の目処は立たない。案内してくれた住民の方は言う。「原発事故で誰一人責任を取っていない。腹立たしい。再稼動など許せない。燃料棒も取り出せないのに、事故が収束したと思っているのか」。

 住民の不安や苦悩は拭い去れていない。アベ政治の掲げる「復興」は政治的カモフラージュに過ぎないのだ。それに対する不信や怒りが、福島で自民党を敗北させたのだろう。

もう1人の落選閣僚は沖縄県(1人区)の島尻安伊子沖縄北方担当相。前回の参院選でも自民党は負けたが、今回は10万票の差(前回の3倍)がついた。

この沖縄県民の審判に当てつけるかのように、アベ首相は投票日の翌日、島尻氏を閣僚として当面続投させる考えを明らかにした。

さらに同日、政府は東村高江のオスプレイ用のヘリコプター着陸帯の移設計画地内に、建設資材の搬入を強行した。抗議する住民らを排除しての搬入は連日行われている。そして全国から500人の機動隊を現地に派遣し、7月22日には工事を再開した。

アベ自民党は「経済的な繁栄」の幻想をばらまき、限られた一部の地方に犠牲を強い続け、そこから国民の目を逸らすことで、参院選の勝利をせしめた。実際にはその勝利が小さくとも、「次は改憲だ」とアベ首相の奢りは極まっていくだろう。しかし、「この道を。前へ」でよいはずはない。他人事はいつか自分に降りかかってくる。

(長野市民新聞 2016年7月26日)


  高江の緊迫した報告が続く。「 No pasarán!(ノ パサラン) やつらを通すな!」を『たぁくらたぁ』に連載中の浅井大希さんからだ。

img_20160722_040023-001.jpg

東村高江、亜熱帯の森やんばるの深奥部。オスプレイヘリパッド建設予定地のN1前は、戒厳令状態だった。
警察による法的根拠のない県道封鎖。事後措置による駐車禁止の一方的設定で、禁止前からの車を裁判手続きを経ずに強制撤去。そしてそのすべてを、全国から召集された1000人近い機動隊の圧倒的数の暴力ですすめた。
やんばるの森、沖縄戦のとき難民の命を救った森、宝石のような貴重な動植物がひっそりと暮らす森。その森を守ろうと深夜に集まった市民の数はおよそ200人。

img_20160722_073018-001.jpg

img_20160722_090742-002.jpg  img_20160722_094300-002.jpg

21日夕方の突然の警察による駐車禁止の看板設置への抗議から始まった機動隊との衝突。翌日未明5:30から始まった強制排除。応援に駆けつける県民を現場に近寄らせないための12時間以上に及ぶ県道封鎖。
自分も21日19:30~22日9:30まで14時間の死闘で、数えきれないごぼう抜きにあい、機動隊によるヒジウチ、ヒザゲリ、関節技により靭帯損傷。最後はゲート前、自分のショルダーバッグの紐で首を絞められ失神寸前にされ、三人がかりで引きずりだされた。この日のことは一生忘れない。あの県警機動隊の狂ったような姿も、血走った目も。圧倒的な数の力の前に五人が負傷、救急搬送され、リーダーのヒロジさんは座り込みの撤退を決断した。
午後になって防衛局の車列が続々と押し寄せてきた。機動隊が数百メートルに渡って両側に並んでいた。その数百人の機動隊員が見つめる中を、目が虚ろで放心状態のヒロジさんと二人、トラメガを持ちゆっくりと歩いた。ヒロジさんは1時間しか寝ていない。限界を越えていた。よろめき歩くヒロジさんを見る機動隊の青年達の、正気に返って罪悪感にみちたあの表情を、絶対に忘れないだろう。自分達が何をしたか思いしれ。
その後ろで重機が森の木々を音をたてて壊していた。(浅井大希)

img_20160721_225252-002.jpg

img_20160722_083208-001.jpg


引き続き、浅井大希さんの東村高江の報告です。

img_20160717_061539.jpg

東村高江、オスプレイヘリパッド建設の強行。
住民が封鎖するN1テントに昨日から、防衛局の職員が24時間体制で立たされている。15名ずつ2時間交代、機動隊が先導する。座り込みの住民と交代のたびに激しい揉み合いが続く。
元海兵隊の軍属による沖縄女性殺害死体遺棄事件をうけて、防衛局は事件対策に全国から集めた職員で米兵をパトロールすると発表した。しかし、そのパトロール要員が、高江の現場で住民対策の任務にあたっている。いったい何なんだこれは。

すでに名護のカヌチャリゾートホテルには、警視庁、神奈川県警、千葉県警、福岡県警の機動隊バスが20台入った。全国から続々と1000人派遣、という報道もある。こんな小さな集落に、1000人を超す機動隊が来たら、高江は戒厳令のような状況になるだろう。  (浅井大希)

img_20160717_060458-003.jpg

img_20160717_120018.jpg


 img_20160715_103038.jpg

7月10日の参院選、沖縄県(1人区)では、現職閣僚の島尻安伊子沖縄北方担当相が落選した。その翌日の早朝だった。日本政府は、東村高江のヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)の移設計画地内に建設資材の搬入を強行したのだ。以下、 「 No pasarán!(ノ パサラン) やつらを通すな!」を『たぁくらたぁ』に連載中の浅井大希さんからの報告です。

img_20160715_110239.jpg

高江コジキ行進。炎天下、高江から東村役場まで20キロを歩く。
週明けに150人の集落高江に500人を超す機動隊がやって来る。米軍オスプレイのヘリパッド建設のために。
正気の沙汰とは思えない。

50年前に米軍の土地強奪に対して、伊江島の農民たちが那覇まで行進した。その故事に倣う。  (浅井大希)

「やんばる東村 高江の現状」(2016年07月13日)  酷すぎます。