1 月 2017


『たぁくらたぁ』に連載をしてもらっている木村紀夫さん(大熊町から白馬村に避難移住)と、福島でこれまで何度かお話をうかがってきたKさんんのお話を、長野市民新聞の連載コラムに書いたので、こちらにも掲載します。

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父の思い、母の思い

福島第一原発が立地する大熊町から白馬村に、原発避難で移住した木村紀夫さんを1月初めに訪ねた。津波で行方不明だった次女の遺骨が昨年12月、5年9カ月ぶりに発見され、家族のもとに帰ってきた。でも木村さんの気持ちは晴れない。

遺骨が発見されたのは自宅から200メートルほど離れた瓦礫の山の中だった。原発事故さえなければ、避難をせずに捜索ができ、服を着たままの次女に会えたかもしれない。「瓦礫といっしょにバラバラに運ばれたんだなあ」と、木村さんはまず思った。「出てきてよかったなんて実感はまったくない」。東電や国への怒り、やりきれない思いが、父をとらえている。

木村さんを訪ねた数日後、福島へ行き、小学校2年の長女と今年新入学の次女をもつ母親のKさんに会った。昨年12月、彼女のもとに、福島県が行っている甲状腺がん検査の、長女の結果が届いた。Kさんはそれにショックを受けていた。

検査を2年おきにこれまで2回受けた長女の判定は、いずれも「何もなし」だった。ところが今回、のう胞(液体の入った袋状のもの)が見つかった。判定を見れば、のう胞は最小値のもので、心配しなくてもよい段階だ。でも彼女は恐くなってしまった。それには理由がある。

Kさん家族が住んでいるのは、福島市内では放射線量がかなり高かった地域だ。長女は事故後の6月、鼻血を出した。同じ頃、通っていた保育園では、他の園児も鼻血が出て、お母さんたちの間で、「出たよね」「出たよね」という会話が交われた。その後、発疹が現れたこともある。

「誰かに相談した?」と尋ねた。職場のオーナーと母親に話しただけだと言う。「ママ友には?」と聞くと、この小学校には、原発近くの町村からの避難者が多く、検査結果が最初から悪い人たちもいるので、騒いでは申し訳ないから黙っているという。独りで不安と闘っているのだ。Kさん、辛いね。

マスコミでは「復興」の文字が踊る。しかし、福島県では甲状腺がんやその疑いのある子供たちが増えている。それは同時に、Kさんのような「不安」をさらに強めてもいるはず。その計り知れない重さを、東電や国は軽々しく扱っている。木村さんの思いに対しても同じ。これは責任放棄なのに、それがこの国は野放し状態になっている。この現実から目を逸らすならば、Kさんたちをいっそう孤立させてしまうことになる。 

いま、『たぁくらたぁ』41号の編集作業の真っ最中。その41号にて、木村さんには連載の中で自身の言葉で語っていただき、またKさんの話は筆者の記事でもう少し詳しく書くつもり。2月初めに発行予定。どうぞよろしくお願いいたします。


信州沖縄塾塾長の伊波敏男さんから昨年暮れ、「山城博治さんたちの釈放を求める署名」を始めるから呼びかけ人になってもらいたい、という連絡をいただいた。

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(山城博治さん 写真提供 浅井大希)

山城さん(ヒロジさん)は辺野古の新基地反対の運動のリーダーであり、昨年の参院選直後から始まった高江ヘリパッドの建設を止めるための運動でも先頭に立っていた。『たぁくらたぁ』本誌でも当ブログにおいても、浅井大希さんがヒロジさんについて、その人となりを含めて伝えてくれている。そのヒロジさんが今、どんな状況におかれているのか、以下に署名の趣意書を記すので、ぜひ知っていただき、署名にもご協力してほしい。

「山城博治さんたちの早期釈放を求める会」趣意書

  山城博治さんが2016年10月17日、高江のオスプレイヘリパッド建設現場で有刺鉄線を切断したとして器物損壊容疑で逮捕されてから、はや70余日が経過しました。

  この間、沖縄県警は、山城博治さんたち7名を次々と公務執行妨害、傷害、威力業務妨害などの容疑で逮捕し、うち4名は保釈されたものの、今なお山城博治さんを含む3名が起訴され、長期勾留を強いられています。しかも、山城博治さんには接見禁止がついていて、弁護士以外は接見できず、家族も会えないというひどい扱いを受けています。

 これらの逮捕は、いずれも不当極まりないものであり、市民による抗議運動の高揚に恐れをなした安倍政権の差し金による高江・辺野古の運動潰しにほかなりません。

 不当勾留されている3名とも、連日の長時間に及ぶ取り調べにもかかわらず、 不屈に闘い続けていることはいうまでもありません。

ただ、ここで私たちが何より懸念しているのは、長期勾留による3名の健康状 態であります。なかでも、山城博治さんは、2015年に大病を患い、現在もその影響で決して健康な身体であるとはいえません。現に12月19日の血液検査で白血球値がぎりぎりまで下がっていることが医師から告げられ、家族をはじめ友人、知人が憂慮しているところであります。また、山城博治さんは、末端 冷え症で手足が冷たくなりやすい体質のため、これからの季節がより一層健康 に悪影響を及ぼしかねません。これ以上の勾留は、山城博治さんの生命を危険に さらすことになりかねません。

 このような状況で、私たちは取り調べ期日が終える12月20日を藁にもす がる思いで待ちました。なぜなら、通常通りであれば取り調べ期日が終われば当然保釈されるものだと思っていたからです。

ところが、私たちの期待も空しく、今なお裁判所は釈放を認めようとしていま せん。裁判所は、検察の山城博治さんたちを社会に帰さない、運動させないという強い意向の前に、自らの良識をかなぐり捨て、人権を尊重するという本来の責 務を放棄したと断ぜざるを得ません。

 よって、私たちは、沖縄のすべての人々、全国の良識ある人々に広く呼びかけ、 山城博治さんとその仲間たちの一刻も早い釈放を勝ち取るための運動を展開していきたいと思っております。この趣旨をくみ取り、一人でも多くの方がご支援・ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

共同代表   山内徳信、崎原盛秀、伊波義安、仲宗根勇、新川秀清、東門美津子 事務局長   平良眞知

連絡先  電 話:090-6864-6628(照屋)

              住 所:〒904-2245 沖縄県うるま市赤道 17-5 照屋大河事務所気付

              メール:t-taiga@gaea.ocn.ne.jp

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この署名用紙のダウンロードは、以下。

http://unitingforpeace.up.seesaa.net/image/unitingforpeace-2017-01-02T103A263A09-2.pdf

なお、同様の署名を、澤地久枝さん、落合恵子さんなどが 要請者となって取り組んでいる。

山城博治さんらの釈放を!