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更新情報4月9日号「一枝通信」


4月9日(番外編)

みなさま

友人から送られたメッセージを転送します。(渡辺一枝)


人生の先輩・友人・ツバルの講演やトークでご縁があった大切な方々へ

 家の前のしだれ桜の老木に、濃いピンクの蕾がふくらんできました。春のおとずれの中、みなさまおひとりおひとり、いかがお過ごしでしょうか。

 もんでんは震災後の日本にツバルから帰国、そしてまた今年、かの南の島に出立します。この日本での一年、肋骨を折ったりしながらも、またこつこつ、出国費用捻出に働いております。

 この一年。自分の生まれたこの国の様子に、胸のつぶれる思いで向かっています。

 今日は「読んでくださるかたがいれば—」という思いで、いまは半分ツバルの離島の民となった(つもりの)わたしから、わたしが生まれ、たくさんのものをもらった、この日本のことを見て書きます。

 島での五感をフル稼働させた「生」から見ると、とてもおかしなことが起こっているこの国。なのに、多くの人はみんな忙しそうで、知らないでいるようなのが、奇異なのです。この国にこれからも生きる人たちの近い未来を感じると、書かずにはおれなくなりました。

 環境省がいま、新聞見開き広告・テレビCM・各地シンポジウムで、「みんなの力でがれき処理」広報キャンペーンを精力的に展開中です。

 わたしが今さっと調べただけでも、昨年2011年で、放射性がれき拡散宣伝のために博報堂あてだけで9億円を支払っています。(※1)さらに今年2012年、現在募集中のがれき拡散宣伝企画の予算は最低15億円。(※2)

 この数十年。「原子力はクリーンエネルギー」と、安全神話キャンペーンに毎年、何百億円という国民の電気料金が投入されてきました。(※3)

 大事故が起こった今、こんどは「みんなで助け合おう」を合言葉に、放射性がれきを拡散。それがどれほど人体に危険なことかは、環境省の人びともよく分かっていないままに。

 人体の内部被曝を避けるための人為的放射性物質の扱いの鉄則は、「拡散させないこと」「封鎖すること」です。

 内部被曝が専門の矢ケ崎克馬琉球大学教授はこう言っています。

「政府はバグフィルターを通すので大丈夫と言っていますが、とんでもないことです。セシウムはどんどんフィルターをくぐり抜け、住民の住む大気内に届いてしまいます。焼却処分は、きわめて危険です。焼却処理で0.5%でも洩れてしまえば、大きな二次被曝を生むことを認識しないといけません。」(※4  p.64)

 実際に静岡県島田市のがれき焼却実験では、0.5%どころか、セシウム137の40%がフィルターを通過して排ガスに混じり排出されることが分かりました。(※5) 高温で熱し、気化したセシウムを人体が吸い込む危険性は尋常ではありません。チェルノブイリの影響を研究した元ゴメリ医大学長バンダジェフスキー博士も「セシウムを高温で燃やすなどありえない」と強く警告しています。(同じく※5)

 またすでにがれきを受け入れ焼却してしまった山形市では、定時降下物に福島市の14倍のセシウムが検出されました。(※6)

 日本の主な医学者や放射線研究者が内部被曝の危険を軽視するのは、戦後のすべての安全基準がアメリカのICRP(国際放射線防護委員会)の基準をもとに作られてきたからです。ICRPはアメリカの戦後の核開発と原子力産業を擁護するためにできた機関で、「経済的利益」を人体の健康より優先することがその1990年勧告でも婉曲的に述べられています。(※4  p.40)

 実際には身体の内部被曝によって、多くの人が命を落としてきたのですが、「内部被曝」というもの自体が、ICRP下と、そしてこの日本全土では、「ないこと」にされているのです。

 小出裕章京大助教授は、放射性がれきは福島第1原発を封鎖する作業に使うべき、また福島第2原発に集めるべきと言っています。そしてその費用はすべて、国と東電の責任です。

 それを「助け合い」の精神とすり替えて、放射性物質を拡散して分かりにくくし、また国民の血税を膨大に使って国・東電の負担を軽くし、また多大な公共事業の利権を得ようというのがこのキャンペーンです。

 長崎・広島の被曝者を人体実験として扱った米政府に協力した日本政府。(※4 4章) 同じように、今度は命にかかわる危険を、大々的なキャンペーンで公共事業利権と引き換えに全国に広めようとしています。

 大江健三郎さんは、仏紙ルモンド紙インタビューで「僕たちは、そんなにだましやすい国民でしょうか」と言っています。

 「私が最も絶望させられたのは、電力会社、政府の役人、政治家、メディア関係者が結託して放射能の危険を隠すために行った「沈黙による陰謀」とも呼ぶべき行為です。(中略)少なくとも言えることは、もう本当に、こんなにだまされてばかりいてはいけないということです。『冷温停止』などと大嘘をついている政府にさらに、『ガレキをなんとかしないと東北は復興できない』と言われて、また動揺してしまう。そこを変えていかなくてはいけない。」(※7)

 わたしは15年以上前から、「椰子の木があって、年中Tシャツ一枚で暮らせる南の島への移住」が夢で、今もそれは変わっていません。日本にふるさとと呼べる場所はなく、気に入った所なら地球上どこでも住める、心は海洋民族です。

 それでも福島事故後。身を切られるような思いで、生まれたこの国のことを調べると。広島長崎原爆後、ずっと隠され続けている内部被曝による膨大な死者の実態。全国54基の原発労働者の隠され続けている現場被曝と死者。そして福島事故後、みごとに隠され続ける被害の実態。

 自分が生まれた国の人びとの、あまりにも単純な「長いものにまかれろ」体質に、悲しくなって、よく泣いてしまいます。優しい、本当に心優しい日本の人びと。けれどもだまされ続けてきた、日本の人びと。被曝して、死に続けても、それに気づかない日本の人びと。またはその横で気づきつつ、今の仕事や家族が大切なので気づかないふりをする日本の人びと。

 みんな仕事で忙しいので、知らぬまに、操作されていく—。ドイツ在住の哲学者三島憲一氏は、「日本では国民生活の『植民地化』が進行していった」と言っています。(※8)

 どうか、わたしの友人のみなさん。

 命にかかわっている放射性がれきの問題。そして、いまだに通常「放射線管理区域」とされる非常に危険な線量の地域に大勢の子ども達が住まわされていること。その子ども達を襲っている健康被害が否定され、隠されていること。年々この国に恐ろしい量で増え続けている、10万年以上管理の必要な核廃棄物—。

 知らぬ間にだまされていかないでください。本当に、仕事の合間に、少しずつでいいのです。知ろうとしてください。動物的な五感・直観を取り戻して、生きることの危険を察知してほしいのです。

● がれき問題と内部被曝の資料・ブログ ●

○「放射性がれき拡散の何が問題か」分かりやすい理由

沖縄瓦礫問題陳情書2−1.「陳情の理由」の概要

http://yushi.rederio.org/gareki

○ STOP!放射能ごみプロジェクトチームによる分析と批判(pdf)

https://docs.google.com/file/d/0B6g6piXeFJ5wOGNjOTlmZGYtMTEwOS00OWIwLTg0YWEtNmQ5YzNmZjNlMmQy/edit

(STOP!放射能ごみサイト→ http://houshanou-shomei.seesaa.net/index.html )

 ○「ガレキ広域処理6つのウソ」(pdf)

https://docs.google.com/viewer?url=http://fileman.rakurakuhp.net/UserFiles/6513/File/1332732362.pdf

○「ガレキ拡散の真の目的とその黒幕について」石川栄一

http://shugakukai.shakunage.net/gareki.html

○ がれき問題他、内部被曝などの問題を追うブログ守田敏也氏「明日に向けて」

http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011

(京都にての講演・行動呼びかけなどもこちらでアップされます。)

○ 東電OBの福島事故後時事刻々ブログ「院長の独り言」

http://onodekita.sblo.jp/

○ 分かりやすい薄い入門書『内部被曝』岩波ブックレット 矢ケ崎克馬・守田敏也

(560円+税)

(薄いですが原爆後いまだ日米両政府によって隠蔽されていることを客観的に解説。本を買うことも「行動」。)

○ よくわかる原子力 キッズページ

http://www.nuketext.org/indexkids.html

○「原発」国民投票プロジェクト 署名

http://kokumintohyo.com/

○ 京都にての講演・行動呼びかけ他 NGOe-みらい構想

http://e-miraikousou.jimdo.com/

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 上記資料を保管してくださり、お暇ができたときに少しずつ、チラチラと見てくださると、こころから嬉しいです。

 みなさん、とても深刻な話題ですが、読んでくださって、本当にありがとうございました。

ファカフェタイ・ラシラシ(どうもありがとう)。

 どうぞおひとりおひとり、よい桜の春を、おすごしください。

アロファ・アトゥ(こころから、愛をこめて)….!

もんでん 奈津代

● 『子連れ 南の島暮らし

—南太平洋のゆる〜り子育て体験記』刊行

http://monden.daa.jp/01tuvalu/022notice/022-03.html

● 写真と漫画の「ナヌマンガ島2008年の日記」

→ http://monden.daa.jp/01tuvalu/2008nanumaga/2008nanumagatop.html

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【出典】

※1=「環境省・博報堂・9億円」など検索で各種ネット記事にて。

※2=復興庁・環境庁 企画書募集公示「平成24年度東日本大震災に係る災害廃棄物の広域処理に関する広報業務」

http://www.env.go.jp/kanbo/chotatsu/kikaku1/h240305c.html

※3=「原発・放射能を正しく知ろう」 田中優2011年5月2日 世田谷講演

http://www.ustream.tv/recorded/14428383

※4=『内部被曝』岩波ブックレット

※5=「放射能防御プロジェクト」木下黄太ブログ2012年3月26日記事http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/653ca9bfcb7d861f9ad0bd251af51103

※6=山形市2011年12月21日9時〜22日9 時定時降下物採取41MBq/km2

http://savechild.net/archives/14279.html

※7=守田敏也「明日に向けて」内3月21日記事

 http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/e24fb7061ea294dc54ce23ee452b038c

※8=ドイツZEIT紙2011年5月7日記事「事の真相」 和訳回覧ご希望の方はもんでんまで。

 

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