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2018年3月18日号「警視庁機動隊沖縄への派遣は違憲 住民訴訟」


 3月14日、件名の訴訟第6回口頭弁論が、東京地裁第103号法廷で開かれました。
地裁前での事前の集会で原告代理人の高木一彦弁護士の挨拶が心に残りました。
「闘ってこそ明日がある」と言い、闘っても勝てるとは限らず負けることもあるが、闘うことで自分らの主張を広く訴えることができるのだと。
2日前の山城さんたち3人の裁判は不当な判決が出ましたが、山城さんや沖縄の人たちに連帯して、この裁判を闘うことを話されました。
 この日も傍聴希望者全員が入廷できました。
抽選券は配られましたが、ギリギリいっぱいで空席を出さずに済みました。
◎東京地裁第103号法廷
 裁判長から「今日は準備書面3」について陳述しますね」と確認された後で、原告代理人の弁護士が意見陳述しました。
●原告代理人弁護士意見陳述
 提出された「準備書面3」は46ページと長いものです。
ヘリパッド建設工事と、なぜ高江の住民が建設に反対するのか、反対住民らの行動の経緯を述べ、機動隊派遣の違法性を述べました。
派遣決定は手続き上からも違法であり、また派遣の目的であるヘリパッド建設工事そのものも違法であることを陳述しました。
ヘリパッド建設によって地元住民が深刻な被害を受けていること、沖縄本島北部の森林地帯「やんばる」の自然破壊についても述べました。
 警察官の権限行使の基本原則を示し、本件での警察活動がどのようなものであったかを述べ住民らに対して行われた暴行の違法性を陳述しました。
また取材の妨害や違法な道路封鎖についても陳述しました。
●原告本人:K・Mさん
 編集者として沖縄の絵本に関わったことから、住民の願いを無視した基地建設のことを知りました。
沖縄に行き地元の人と共に座り込み、機動隊員空暴力的な排除を受けて小指を骨折した体験を陳述しました。
このような自身の体験から自分が納めている都税が、違法に機動隊派遣に使われていることを看過するのは、自身が沖縄の基地建設に加担し機動隊員の暴力に加担することだと考え、原告になったことを訴えました。

*裁判長も左右の陪審も陳述する原告代理人、原告本人に顔を向け、また手元の準備書面に目をやりながら聞いていました。
 被告指定代理人、前列の3人は机上の書類に目を向けたままでしたが、後ろの席の2人は陳述する原告代理人に目を向けてしっかりと聞き入っているように見えました。
●被告指定代理人意見陳述
 訴えそのものを却下する。請求を棄却する。
原告らの求釈明(機動隊員らの超過勤務手当及び特殊勤務手当について、原告から釈明を求められている)について認否せず、金額を明らかにする必要も認めない。
●裁判長
 被告代理人に対して裁判長は、提出された準備書面に対して認否反論にとどまらず、事実関係をちゃんと書面で出すようにと言いました。
そして次回7回目の口頭弁論は5月23日、次々回は7月23日と言い渡しました。

◎閉会後の報告集会
●長尾弁護士
 話したことは、大きく分けて3つ。
一つはなぜ高江の人たちはヘリパッド建設に反対し、どうやって座り込んできたのか。
そして警視庁機動隊の派遣自体の違法性、環境破壊や住民の意思に反するなどを話し、また原則として沖縄県から要請されていくのが原則のところを、警察庁が前日に派遣を言ってそれに応じて行ったその手続きがおかしいと述べた。
基本的には自治体の警察であり、国の警察ではないのだからその原則を守るべきだと話した。
最後に高江で機動隊がやったことがおかしく、それについても主張・立証をしたいと話した。
●宮里弁護士
 今日の裁判員は最後に非常に重要な発言をしました。
機動隊派遣の必要性、相当性を明らかにしなさいと言いました。
さらに必要性、相当性があると考えた事実認識、我々は住民の正当な反対運動を抑圧するために機動隊が派遣されていると主張して、機動隊にこのような違法行為があったということを主張している。
一方で都の方は機動隊派遣に際してどのような認識を持っていたのか、現地の住民が誠に違法、不当な活動をしている不逞な輩だから抑圧するために派遣したとは、まさか言わないと思うが、それならどういう理由でわざわざ東京から機動隊を派遣したのか、都はその必要性、相当性を言わなければいけなくなった。
都は多分これは予想していなかった裁判所の反応ではないか。
我々は機動隊派遣の必要性、相当性はなかったとしているのに、都は必要性、相当性があるから派遣したと言わざるを得ない。
すると必要性、相当性とは何かという中身の論争が可能になってくるということで、この裁判にとって重要な展開があったのではないかと思います。
●青龍弁護士
 いま宮里先生の発言にあったように、この裁判の裁判長は最初から派遣の違法性について中身の事実関係を詳しく知りたい、判断したいという姿勢がうかがわれるような気がします。
 昨日、辺野古の基地差し止め訴訟では県が請求していた判決が、本案に入らずに門前払い、訴訟要件無しということで却下したという判決が出たので大変がっかりしているところだが、東京のこの裁判で基地建設の中身まで判断しようという姿勢が伺えて、あまり過度な期待はできないがこちらの主張を聞く耳を持っているので、これからもさらに主張、立証していきたいと思っています。
●高木弁護士
 もともと私たちが東京都の監査委員会に監査請求を出していたのに却下、調べる必要もない、住民監査請求に値しないから却下、これは昨日の那覇地裁と同じだ。
私たちがこの裁判を起こしているのは、「問答無用聞く必要ないとは、あんまりだ。事実調べをさせる」ということで論争を重ねた結果、基本的には前々回の裁判所の指揮で却下はしない、調べることを前提として前へ進もうとなった。
そして前回は具体的にどのような違法があるから給与の支払いが違法になるのかなど、これまでも蓄積していたことを説明しなさいとなった。
それで我々弁護士6人は総力を振り絞って、40数ページの準備書面を出した。
1週間前に出したので、それについて裁判官がなんらかのアクションをしたわけではないけれど、これについて被告に対してはちゃんと反論しなさい、木で鼻をくくったような態度ではダメです、あなたたちはなぜ派遣が違法ではないと考えるのか、その理由についてちゃんと説明しなさいと踏み込んだ。
門前払いではなく、中身について聞きましょうという裁判所の姿勢であることは間違いない。
 そこで次の課題は、いったい裁判所は何人の証人を採用するのかが次の山になる。
私たちは2人の元警視総監を含めて9人の証人を申請しています。
そういう人たちを全部調べてもらわないと、我々がなぜ今回の派遣が違法で、そういうものに給料を払うのは許されないというのか全部調べて欲しいとしている。
5月の期日に、今回私たちが出した40数ページへの反論が向こうから出て、裁判所はそれを読み比べながら、何人の証人を決めるかが7月なのかな?とすると証人調べがその次から始まるということで、9月以降に証人調べを始めるのではないかなと期待をさせる状況です。
 名護の市長選挙に続いて今回の那覇地裁の判決と、沖縄の人たちは本当に苦しい闘いを続けていらっしゃることと思い私たちは胸のつぶれるような思いでいますが、私たちは私たちの持ち場でできることを精一杯やっていくことが沖縄に対する連帯というだけでなく、日本の民主主義や平和の為に必要なことだと考えています。
ぜひまたお力添えください。
●意見陳述したK・Mさん
 短い文章でどれだけ話せるかと思いましたが、これに向き合う時、自分が加害者側にいることを忘れてはいけないと思いました。
だからこそ自分は自分なりに、自分の尊厳をかけて原告として闘っていることを伝えたくて陳述したつもりです。
聞いていただいてありがとうございました。
●前回の質疑応答について
 前回の報告会での質疑応答時に「機動隊はどういう風に機動隊になるのか」という質問が出ましたが、それについて解ったことをお知らせします。
 警視庁に就職する全員が、警察学校に入学する。
卒業後それぞれの警察署の地域課に配属され、交番勤務を1〜2年する。これはすべての警察官がここまではやることになっている。
その後、本人の希望などで配属される。
機動隊もその配属先の一つで、刑事場、訓練や総務課、鑑識などいろいろなところへ配属されるのが基本的なシステム。
いま東京都の警視庁の警察職員が43,566人で内、機動隊員が3,040人ということです。
神奈川県警は大体の規定がHPでアップされるのですが、警視庁は目的のところしかなく具体的なところは全部読めない。
神奈川の規定に沿って考えてみると、条例とか規則そのものには機動隊というのは出てこないけれど、警備部課で、警備第1課に機動隊は所属することははっきりしていて東京の場合は特殊車両機動隊というのがあるけれど、それ以外の機動隊が都内に9ヶ所ある。
神奈川県警の規定によると、「機動隊は警備実施の中核部隊として治安警備及び災害警備に当たるものとし、必要に応じて部隊活動にあたり雑踏警備、警護活動にあたるものとする。
機動隊員の成員の基準として幹部は人格識見に優れ、かつ特に指揮能力に優れた巡査部長以上の階級にある警察官、その他の隊員は勤務成績良好な巡査の内、身体強健な30歳未満の独身者で1年以上の実務経験を有し、柔道もしくは剣道に優れ又は通信・自動車の運転等に関する技能を有する者が挙げられる。原則として隊舎に合宿する」と書いてあります。
●高木弁護士
 今回具体的に警視庁の機動隊が高江で何をしたのかということを、いろいろ調べたり資料を取り寄せたりしました。
みなさんご存知かと思いますが、朝日新聞出版から出された沖縄タイムス記者の阿部岳さんが書いた『国家の暴力』は、この今回の高江における機動隊が何をしたのかということを中心に取材したことを書いた本で、これは私たちにとっても虎の巻のように大事な本です。
3人の裁判官にも提供し、被告にも提供しました。
ぜひ皆さんもお読みいただければと思います。
 さらにこれは前回の裁判の直前に、那覇地裁で三宅俊司弁護士に対して警視庁機動隊が車道を封鎖しビデオを撮りまくったことは違法であるという判決を出しました。
これも現地で機動隊がやっていることが違法であると沖縄の裁判所も判決を出しているので、これも大きな裏付けにもなりました。
いろんな形で闘い続ければいろんなところで資料も発掘できるし、いろんな材料も手に入るので、やっぱり闘い続けることが大事だろうと思います。

*次回の裁判期日は5月23日(水)11:30開廷です。
「警視庁機動隊沖縄への派遣中止を求める住民監査請求実行委員会」はサポーター募集中です。
これまでの裁判の経過はブログ、FBをご覧ください。
ブログ:https://juminkansaseikyu.wordpress.com
FB:「警視庁機動隊の沖縄への派遣は違憲 住民訴訟」
連絡先:juminkansaseikyu@gmail.com

5月23日の第7回口頭弁論も傍聴席が埋まるよう、私もまた傍聴に行こうと思っています。                           

いちえ

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