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2018年8月2日号「7月31日南相馬」


●朝の散歩
31日は5時少し前に目が覚めて窓を開けると、朝靄が深くて太陽は見えません。
顔を洗って身支度をして、散歩に出ました。
いつものコースでビジネスホテル六角を出てコンビニの角を曲がり、森合の集落を抜けて小浜への道です。
コンビニの角を曲がった少し先の、蓮池に寄りました。
道路から外れて畑のあぜ道を通って行けるのです。
幾本かは名残の花をつけていましたが、ほとんどがもう種になっていました。
然程大きくはない池(4×2mほど)ですが、水面は蓮が埋め尽くしているのです。
花の盛りに訪ねたのは、去年だったか一昨年だったか…
それはそれは、夢のような光景でした。
小浜の荒川さんの家が在ったところは、道路になっていました。
太田川の河口の橋も完成して、通れるようになっていて、辺りの景色はすっかり様変わりしていました。
そこから引き返して来た道を戻ると、向こうからランニングしてくる人がいました。
キャップを被ってタオルの鉢巻をしていたのでとっさに気がつかなかったのですが、「あれ、一枝さん来てたの?」と元市長の桜井さんでした。
「昨日来て、今日は寺内の仮設に行ってから帰ります」と答えると、「なんだ、連絡くれればよかったのに。じゃぁ、僕はここを回ってから後で六角に行きます」と言って向こうへ走って行きました。
相変わらず元気そうな姿でした。
つい最近気がついたのですがスマホの「ヘルスケア」というところは、万歩計のように歩数や歩いた距離、上がった階数が表示される機能だったのです。
スマホはいつも持ち歩くばかりではなく身近に置いたままのこともありますから、ここに表れる数値に信憑性はないだろうと思っていますが、この朝は宿を出てからずっと持って歩いていましたから、確かな数値だろうと思います。
歩数は8300となっていました。
六角に戻ってシャワーを浴びて食堂に行けば、桜井さんが来ていました。
お聞きしたいことはいくつかありました。
一つは特定避難勧奨地点の避難指示解除に関してです。
これは私も支援者として関わり傍聴を続けている、「南相馬・20ミリシーベルト撤回訴訟」に関係します。
もう一つは、桜井さんのこれからの去就についてです。
でもそうした話に入る前に別の宿泊者が現れて桜井さんに話しかけて、居合わせた大留さんや大留さんの息子さんも交えて、もちろん私も加わってその話題になってしまったので、私が聞きたかったことはまた改めて次の機会にと思いました。
●心配なこと
寺内塚合仮設住宅も残っている人は、本当に少なくなりました。
談話室のメンバーで残っているのは天野さんだけ、山田さんも自宅に戻ったそうです。
5月に訪ねた時には、大工さんの手が空かず自宅の改修がまだ済まな胃のでいつ戻れるか判らないと言っていたのですが。
だから談話室に居るたのは、菅野さんと天野さんの2人でした。
天野さんは、携帯が見つからないと言って探していました。
談話室では見つからず、自室へ探しに行きましたが「無かった」と言って戻ってきました。
もう一度大留さんと一緒に自室に行き、大留さんの携帯から天野さんの携帯に電話をしてみても着信音は鳴らず、ゴミと一緒に捨ててしまったのではないかと、また大留さんが一緒にゴミ置場に確かめに行っても見つかりませんでした。
天野さんと大留さんがいない間に、菅野さんに聞いたことです。
最近天野さんは、いつもどこかに何かを置き忘れて、探してばかりいるというのです。
また、夜中に誰かがドアをノックしたりガチャガチャ開けようとしたりすると言うけれど、夜中に誰も来たりはしていない筈だと言うのです。
仮設住宅の住人の誰も、夜中にそんな物音は聞いていないそうなのです。
また他にも気がかりなことを幾つか聞きました。
86歳で一人暮らしの天野さん、心配です。
菅野さんも天野さんを案じて、できるだけ一緒にいるようにしているそうです。
この日、談話室を辞してから市議の田中京子さんに会ったので状況を話し、ケアの方策を考えてくれるようにお願いしました。
●ハプニング
田中京子さんに会うよりも前のことです。
談話室から戻ろうとした時のことです。
大留さんが車のエンジンをかけようとしたのですが、なんとバッテリーが上がってしまっていてエンジンがかかりません。
なんとしてもダメ。
自動車修理工の根本内さんに電話をして、助けを求めました。
幸いトシさん(私はいつもこう呼んでいます)が在宅していて、待つこと30分ばかりで、原町から駆けつけてくれました。
トシさんが来るまでの間、大留さんが運転席でエンジンのスイッチを入れた時に私が後ろから力いっぱい押したりしたのですが、車はウンとも言わずにビクともせず、暑いさなかに大汗をかきました。
トシさんにそれを言うと、「今の車はそんなことじゃ動かないし、昔の車だって一枝さんが押したくらいじゃビクともしないよ」と、笑われました。
トシさんの車と繋いで充電してもらって、発車オーライでした。
そんなハプニングで終わった今回の南相馬行でした。          

いちえ

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