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お客を待ちながら……

サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』(白水社)を再読中である。
何故、この不条理劇を再読したくなったのかは、例によって判然としない。

〝実存〟〝状況〟〝造反〟〝想像力〟〝アングラ〟等々と一緒に〝不条理(劇)〟ということばも宙をさ迷っていた時代だった。
読んだつもりだったが一向に頭には入らなかった。読むことに「意味」があったのかもしれないのだが、40年ぶりの再読は何故かすらすらと読める。
読むこと で〝意味〟を探ろうなどという〝不条理〟を捨てたからなのかもしれない。もしかするといまなら『フィネガンズ・ウェイク』だって読めるかもしれないのだ。

ベケットは『ゴドーを〜』の中に書いている。
────世界の涙の総量は不変だ。誰か一人が泣きだすたびに、どこかで、誰かが泣きやんでいる。
何とも〝条理〟ではないか……。
因みに『ゴドーを〜』の初演は1953年の巴里だったという。この年、日本では小津安二郎の『東京物語』が公開されている。