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『山岳科学ブックレットNo.9 山に登った虫たち』発刊しました


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  • 山に登った虫たち
  • 山岳昆虫の多様性と保全
    山岳科学ブックレットNo.9

  • 高山の原生自然に生きる貴重な山岳昆虫。
    その保全と意義について考える

  • 近年の登山ブームや地球温暖化によって高地の生態系の異変や破壊が危惧される昨今。

    山岳昆虫の適応と進化などの研究発表と、その保全のあり方を提言。

    (本編は2011年9月18日に信州大学松本キャンパスで開催された、日本昆虫学会第71回大会公開シンポジウム「山岳昆虫の多様性と保全」の講演内容を編集したものです。

  •  
  • 編・中村寛志
    信州大学山岳科学総合研究所
    中部山岳地域環境変動研究機構

  • 2012年2月20日
  • A5判 122ページ
  • ISBN:978-4-904570-51-7 C0045
  • 933 円(税込価格1,008 円)
    在庫切れ

目次から

山岳昆虫の遺伝的多様性とルーツ
DNAから探る高山チョウの遺伝的多様性、山系間の遺伝的分化

伊藤建夫・中谷貴壽・宇佐美真一

標高経度と系統進化
山岳渓流にすむ水生昆虫の標高傾度に沿った流程分布と遺伝的構造

東城幸治・扇谷正樹・関根一希

山岳昆虫の適応と進化
山岳域のオサムシの適応進化と種多様性

曽田貞滋

高地生態系の環境評価
昆虫群集による高山帯の環境変動モニタリングの試み

中村寛志・藤野裕・別府桂・江田慧子・山根仁

山岳域の生態系の保全
マルハナバチと草原植生

須賀丈

本文『開会の挨拶』より

開会のあいさつ
日本昆虫学会第71回大会公開シンポジウム「山岳昆虫の多様性と保全」

信州大学教授 中村寛志

みなさんこんにちは。ただいまから日本昆虫学会第71回大会の公開シンポジウム「山岳昆虫の多様性と保全」を開始いたします。私はこのシンポジウムの世話人をしております信州大学農学部の中村と申します。

講演に入ります前に、このシンポジウムのコンセプトを少し述べたいと思います。長野県をはじめとする中部山岳域には、氷河期の遺存種である高山生物相によって構成された独自の閉鎖的生態系が残されています。その典型的なものが、山岳域のお花畑にみられる高山植物であり、長野県の天然記念物に指定されているタカネヒカゲなどの高山チョウであります。このような原生自然が見られる山岳地帯の多くは国立公園や国定公園などに指定され、貴重な動植物の保護とその環境の保全が図られています。

しかし近年、登山ブームの到来により山全体が観光産業化し、山小屋も快適になって、多くの人々が山岳域に足を踏み入れるようになりました。このような人的な影響による高地生態系の異変や破壊が危惧されるようになってきました。それから、地球規模で問題となっている地球温暖化があります。この温暖化は北極の氷だけでなく山岳域の自然環境にも大きな影響を与えているといわれています。

このような状況においては、山岳域の生態系の一員である山岳昆虫におきましても例外ではなく、様々な環境変化により個体数の減少、ひいては絶滅が危惧されるような種もみられます。特に山岳環境に特異的に適応して進化してきた昆虫類に、危機が迫っていると考えられます。
そこで第7回大会実行委員会の企画シンポジウムとして、信州の特色を生かして「山岳昆虫の多様性と保全」と題してこのシンポジウムを計画しました。ご案内の演者のタイトルを見ていただきますとわかりますように、まず前半で山岳昆虫の遺伝的分化と多様性、適応と進化などに関する研究成果を、伊藤建夫先生、東城幸治先生、曽田貞滋先生のご三方から話をしていただきます。後半はこれらを受けまして山岳昆虫とその多様性をどのように守っていけばいいかについて、私が山岳生態系の評価手法の事例を述べ、須賀丈先生からその保全のあり方について話をしていただきます。

そして、最後にこれらの講演をふまえて、フロアーの皆様方に山岳域に生息する多様な昆虫類の保全について議論して頂き、ともに「山岳昆虫の多様性と保全」について考えていただければと思っております。それではよろしくお願いします。

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