新刊『植物、いのちと名前の来歴』1月発売


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オビ

そもそも何故なのか……!?

植物の名前からその不思議と可笑しさの由来をひも解く
『牧野新日本植物図鑑』へのオマージュ。


  • 植物、いのちと名前の来歴
  • 新刊 2012年1月発売!

    その名前から解く、植物のいのちとその由来と生態

  • 白木健助 著
  • 2011年12月28日発行
  • 四六判 上製本 176ページ
  • ISBN:978-4-904570-49-7
  • 1,600 円(税込価格1,728 円)

名前からわかる、植物と人との興味深いかかわり

身近な植物の名前に秘められた由来や個性、ルーツを、様々な図鑑をひも解き、検証しながら紹介。
そこから植物と人間の深いかかわりが見えてくる。
信州在住4人の若手イラストレーターの挿絵もエッセイに花を添えています。

本書に登場する植物…目次

ヒイラギとヒイラギモチ
松と柏
ウツギとドクウツギ
マツタケウメ[松竹梅]
神の木
木曽五木

自然の息吹を感じてススキとカヤ
アシとヨシ
スギナとツクシ
春の七草
秋の七草

ネギとニラ・ラッキョウ
ヘチマとヒョウタン
ショウガとミョウガ

ニンジンとチョウセンニンジン
ゴボウとヤマゴボウ
ナスとトマト・ジャガイモ
カボチャとスイカ
カリンとマルメロ
リンゴとナシ
モモとスモモ
クリ
柑橘類

花の香りに誘われてワスレグサとワスレナグサ
ウバユリとクロユリ
アヤメ・カキツバタなど
ツツジとサツキ
ツバキとサザンカ

プロローグ

遠い昔日のことである。
大学で、何を専攻するか迫られた時、少々のためらいと無分別から「植物」をやるはめになった。そして、曲がりなりに卒業はしたものの、生来の怠け者ゆえ何も修得せずに終わってしまった。

しかし世間は、植物専攻というと、植物の名前ぐらいは知っているものと決め込んで、しきりに質問してくる。実はこれが一番困るのである。

確かに、大学を卒業するためには「野外実習」というものをやり、一通りは植物の名前は教えていただいたとは思うが、分類的なことにはとりわけ身が入らなかった。

ところが今頃になって、各種の図鑑や写真集、辞典等を調べてみると、植物の名前にもたいへん面白いものがあって楽しいことが分かった。

そこで植物には何の興味も示さない若い人たちに、少しでも興味をもっていただけたら幸いと思いご託をならべることになった。
『牧野新日本植物図鑑』(以下『牧野』、北隆館)を中心とし、各種図鑑などについて十門、十三網、八十四科にわたって調べてみた。

その結果、植物の名前で多いのは、
1  カヤツリグサ科
2  バラ科
3  キク科
4  ユリ科
5  マメ科
以下、ウラボシ科、キンポウゲ科の順序である。
そこでまず、植物の和名の中で、可哀想なものからあげてみることとする。

ヘクソカズラ[ 屁糞蔓] ◆アカネ科
夏、葉腋にたくさんの花を開く「つる草」である。その花の内面は紅紫色で、むしろ可憐とも思えるものである。それが少々の悪臭ぐらいで、糞だけでは飽き足らず、ご丁寧にも屁までついてしまった。
花の形が「灸」の跡のように見えるから、お灸の別名「やいと」からヤイトバナともいう。

クソニンジン[ 糞胡蘿蔔] ◆キク科
全体に、強烈な悪臭をもつことからついたものである。

ヨグソミネバリ[ 夜糞峰榛] ◆カバノキ科
一般にはアズサといわれているが、樹皮に悪臭があるということから、別名をこう言ったものだろう。カバノキ科であることから、シラカンバやダケカンバの仲間というと分かりやすい。
源を槍ヶ岳に発する「梓川(あざさがわ)」の梓は日本にはなく、中国産のトウキササゲだという(『牧野』)。ところが、古くからある「梓弓」の梓はキササゲ、アカメガシワ、オノオレ、リンボクなどとする諸説があったが、今ではこのヨグソミネバリであるというのが定説になっている。とはいえ、この仲間にミズメ(樹皮に傷をつけると水のようなものがしみ出るからついたという)というのがあり、両種の区別はたいへん難しいというから、恐らく両方とも弓の材料になったものと考えられている。
ところで、梓弓というのは前述の木で作った丸木の弓のことで、上代狩猟にも用いられたが神事にも多く用いられていた。
書物を出版したり、版木に文字などを刻むことを「上梓(じょうし)」というが、中国では昔、梓を版木に使ったことからだという。

(以下略)

著者紹介

白木健助(しろき けんすけ)

1935年、長野県塩尻市に生まれる。信州大学文理学部自然科学科で生物を専攻。1960年より、松商学園高等学校(長野県松本市)に非常勤講師として勤める。1962年、同校常勤講師に。1992年より同校教頭。1997年3月、退職。現在、塩尻市在住。

主著に『花の語らい』(オフィスエム)がある。

挿画・作家紹介

田之上 尚子(たのうえ なおこ)

1981年、 長野県松本市生まれ。2007年からグループ展・個展を開催し、主にペン画( 水彩着色) で描く。 絵本『おおまきの唄がきこえる』の作・絵に携わり、ほかに『一匹ぽっちのこおろぎ【英語対訳版】』(編集・英語版 牧かずみ/日本語版原作 手仕事屋きち兵衛)『最高に幸せな生き方と死の迎え方』(内藤いづみ著)『私のヨーヨーマ』(石原美智子著)などの挿絵に携わる(以上、オフィスエム)。

さくらい史門(さくらい しもん)

1972年、東京生まれ。和光大学人文学部芸術学科卒業。現在、イラストレーター・絵本作家として長野県飯綱町に在住。絵本は2006年『ÉRASE 21 VECESCAPERUCITA ROJA』邦題『21人の赤ずきん』(Media Vaca/スペイン)、2010年『うえんじいさまのき』、2011年『ちょうちょの りりぃ』(共にオフィスエム)がある。
その他に、企業キャラクターや年賀状のデザイン、私鉄のきっぷのイラスト等も
手がける。

古田和之 (ふるた かずゆき)

1980年、 長野県松本市生まれ。 幼少から趣味として絵を描き続け、2002年「つまようじ」による画法に出逢う。以後、主につまようじにより、抽象、具象、白黒、カラーを問わず、独自の「つまようじ画」 を確立する。それらの作品は、個展やグループ展などで発表している。現在は、農業を「アート」として捉え活動する団体【NO-JIN】を立ち上げるなど、幅広く活動中。

三澤春奈(みさわ はるな)

1979年、長野県安曇野市生まれ。2003年、愛知県立芸術大学卒業。アクリル画、インスタレーションによる作品を個展・グループ展で発表。2004年、2005年『見たい見せたい美術展』出展(JR岐阜駅構内)。
挿絵は、本書がはじめて。

 

著者関連本

『花の語らい』
白木健助/著 中村仁/銅版

装幀:中村仁
1997年7月7日刊
四六判上製本・160ページ
本体価格1,714円+税(税込1,800円)
ISBN4-900918-11-3 C0095

 

 

 

花をして語らしめよ、わが少年の日々……
『植物、いのちと名前の来歴』に先立つエッセイ第1弾。

戦時下に一瞬の光芒として過ぎ去った
忘れ得ぬ人たちとの思い出が
時代を越えて語りかける
人に寄せ、花に託した18の哀話

 

MY FIELD●萩

挿画●「花の銅版画」
(カラー/10点)

… 自然環境と同じ歩調で、人々のこころの汚染も進んでいるように思えて悲しくなることが多くなった。そんなとき、何処にでもいる人の、平凡な生き方の中に、 素晴らしい真理を発見することがある。地位や名誉なんてものにはまったく無関心で、ひっそりと息を潜めて生きているような人の内に、ナズナや野菊にも似た 美しさが発見できたときほど嬉しいことはない。(あとがきより)

 

 

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